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西濃運輸・ロジスティクス部
Domo活用でロジの管理業務DX化

2021年06月07日/物流最前線

<貫名部長補佐>
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データ分析の効率化にDomoを導入

――  さて、今回導入したのが西濃運輸の一部門であるロジスティクス部だということですが、まずロジスティクス部の立ち位置をお聞かせください。

貫名  そもそも、西濃運輸は特積み(特別積み合わせ貨物運送)主体の運送事業の会社です。近年は輸送事業を中核としながら荷主へのロジスティクスサービスの提供に注力しています。セイノーホールディングスでは中期経営方針(2020.4~2023.3)の重点戦略において、「特積みのセイノー」から「ロジのセイノー」へ、としてロジ・トランス機能の全国展開を進めています。流通加工や倉庫業務から輸配送までの幅広い業務を担うのがロジスティクス部なのです。ロジスティクス部は、営業部門と管理部門に分かれており、営業チームは当然のごとく、顧客へのセールスが主体です。顧客の経営的課題とか、社会的課題に対して、西濃のソリューションをいかに提案し採用してもらうかという役割です。一方、管理チームは全国の物流センター、支店、営業所のロジスティクス収入と費用の全体管理を行っている部隊ですが、数字の管理だけでなく、実績のデータ分析を行い、セールス側の支援となるマーケティング的な支援策を提供しています。

――  マーケティング的なセールス支援策とは。

貫名  例えば、データ整理をした上で、顧客の出荷傾向や在庫状況などを分析し、顧客へのフォローの仕方などのデータを基にした具体的な支援です。顧客に対して、弊社は出荷された商品を運ぶだけでなく、出荷される前工程の部分となる流通加工や在庫管理をどうするかといった部分までを顧客の課題としてとらえ、解決していくというものです。顧客がお客様より注文を受けてからお客様へ届けるまでの購買活動に関わる部分の物流サービスを提供する。これがロジスティクスの部分ですね。

――  西濃さんは全国に数多くの拠点をもっています。

貫名  全国に特積み事業のためのターミナル拠点を展開していますが、新設される拠点は1階がトラックターミナル、上層階が保管庫および倉庫という複合施設を建設しています。弊社ではこのような物流機能と輸送機能が備わった複合施設を「ロジ・トランス」と呼んで差別化しています。

――  「ロジ・トランス」とはこれまでの拠点倉庫と何が違うのですか。

貫名  「特積みのセイノー」から「ロジのセイノー」へと変化するにあたって、「ロジ・トランス」は多彩な物流機能を装備しています。従来の全国路線混載輸送に加え、DC・TCを活用した物流提案、グローバル3PL提案、流通加工(ファクトリー)業務の提供、物流データの可視化等を目指しています。まさに、ロジスティクス事業のための拠点として運営していくつもりです。

――  物流データの可視化ということですが、膨大なデータになると思います。さらに、それらのデータの一元化は図られているのでしょうか。

貫名  残念ながら、一元化が図られているとは言えない状況でしたね。収入は収入で実績データが生成され、費用は科目別にデータを抽出してくる、といった感じです。例えば、人件費は労務系システムからデータがでてくるなど様々でした。

――  データ分析以前の課題ですね。

貫名  データは取ろうと思えば取ることができますが、それから先の加工は自分たちでやらないとだめなんですね。こっちのシステムからダウンロードして、こちらのシステムからダウンロードして、それらをつなぎ合わせてエクセルベースで分析表を作ろうとしても、なかなか大変な作業になります。

――  これまではどうしていたのですか。

貫名  いくつかのBIツールやRPA(PC上の定型業務を処理してくれるロボット)等を導入し活用したところ確かに答えは簡単に素早く出ます。しかし、その答えにたどり着く過程が全くブラックボックスなんですね。なんでこうなったのか、どこで変わったのかという部分が見えないわけです。ただ、作業したらこういう結果になりましたというだけです。その結論に至った要因とか原因はどうしても人間の目でチェックしていく必要があるのです。ですので、その業務をもっと効率的に行えるようにしたいと考えていました。まさに大きな課題でしたね。ずっと心の中でもやもやしていました。

――  Domoを知られたのはいつからですか。

貫名  2019年の秋頃だったと思いますが、ちょうどDomoさんのセミナーをやられていて、それに参加した時にDomo導入によって課題が解決できるのではないかと感じました。その後、Domoさんからフォローアップということで連絡をいただき、興味があったのでもっと説明が聞きたいと話したと思います。

――  実際に説明を聞いて、導入を決めたのはいつ頃ですか。

貫名  ロジスティクス部で導入を決定したのが2020年の秋頃でした。

――  自社開発という選択肢もあったと思いますが、なぜ、内部開発ではなくDomo導入に至ったのでしょうか。

貫名  確かに、自前で開発するという選択もあったと思います。ただ、そのためには、要件定義などに時間を要し、設計が固まってからも開発に相当の期間を費やしてしまうと思います。Domoなら、トライアルで導入した日から使えるというのが大きなポイントでした。

――  企業にとって時間短縮は大きなメリットですね。

貫名  そうですね。そして2つ目のポイントが、使い勝手と持続性の問題でした。BI等を使っていると、結構使い辛く、さらに自分たちで簡単にカスタマイズできる範囲が非常に狭いんですね。新しいデータをもう一つ追加して、結果に反映させようにも、システムが複雑で安易にカスタマイズすることができません。プログラム系の技術社員を多く抱えている部署なら可能でしょうが、一般の部署では不可能です。そうなると対応できる部署へ改修作業を依頼することになりますので、余計に時間を要してしまいます。自部署で変更できるシステムを望んでいました。現在、部内にはDomoの担当者が2名いますが、彼らが異動になった場合、後継者に引き継がなければなりません。その際、システムが複雑すぎると引継ぎは困難になります。人が変わっても容易に引継ぎができるシステムとしてDomoは非常に優れていたのです。

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