物流テクノロジー企業がスクラム
荷主の課題解決へ突き進む

2021年11月25日 
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<「物流課題の解決へ、より多くの企業にテクラムへ参画して欲しい」と語る網課長>
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――  自動化ソリューションについて、現在の開発状況はいかがですか。

  9月末に3件のソリューションについてデモンストレーションを披露しましたが、現在は他にもいくつか取り組んでいるものがあり、全て合わせると10件程度のソリューションに取り組んでいます。

――  それらはどのような荷主企業の課題に対応したものですか。

  将来的には荷主企業の課題を元にしたソリューションの開発を目指していますが、今はまだ荷主企業を募集している段階なので、現在取り組んでいるものはプロダクトアウトベースのソリューションになります。荷主企業にテクラムを利用して問題を解決していこうと思ってもらうには、このような開発環境でどんなことが試せるのかといった具体的なイメージを持ってもらわないと、なかなか最初の一歩を踏み出せないと思います。ですので、荷主企業に対して、当社が一体になって課題解決取り組んでいきますよ、こういう場所があってこんな機器を使って実証ができます、という一定のイメージを示す場所という意味合いも、先行してPoC Hubを用意した理由です。

<Techrumソリューション機器デモンストレーションムービー>

――  Landport習志野の立地であれば倉庫としての借り手も付くのでは。

  「Landport習志野」は2020年の3月に竣工した物件で、竣工時点から満床稼働が続いています。「PoC Hub」を設置しているスペースも直前までテナントが入居していた区画で、来年1月に拡張するエリアも今年の11月までテナントが入居しています。おっしゃる通り、この立地ですので倉庫として賃貸すれば十分に収益を生み出すことは可能ですが、それでも荷主企業の協力を得るためにはテクラムの成果を見える形で示す必要がありましたので。すでに荷主としてご協力頂いている三越伊勢丹ビジネス・サポートさんも「PoC Hub」の現場を見てもらったことで、テクラムへの共感を得ることができたと思っています。

――  実際に荷主企業の課題をもとにしたソリューションの開発はいつ頃から始まりますか。

  来年の4月以降を予定しています。PoCを来年4月以降にどんどん回していって、それから1年かけて実証したものを順次ソリューションに仕立ててサービスメニュー化していくという流れを想定しています。来年4月から概ね2年間程度の期間をかけてソリューションに仕立てていくイメージですね。この過程が進んでいくと、物流会社さんに対しても自動化を進めやすくなるサービスが提供できるようになっていくのではないかと考えています。

――  だいぶ中長期的なスパンで開発するのですね。

  1つのソリューションのパッケージとして仕立てていくには、そのソリューションがある程度汎用的に使えるような所まで引き上げる必要があると考えています。来年4月からの1年間では協力して頂く荷主企業固有の課題に基づいたソリューションを開発していき、以降は実証を積み上げていくことで、企業を問わず特定のオペレーションや業種・業態に対応したソリューションとして提供していけるようになるのではないかと思います。

――  ソリューション開発にスピードを求める荷主企業もいるのでは。

  課題がすでに顕在化している荷主企業については、来年4月以降の実証プロセスにどんどん参加して頂き、一緒に課題抽出と実証をしながら解決策を講じていければと考えています。今は絶対的なプロダクトやソリューションがあるわけではありませんので、必要に応じて企業の課題に合わせた解決策を一緒に作っていくというのが最短かつ最適な解決策につながる手段なのではないでしょうか。

――  庫内作業で特に人手が必要な工程はピッキングです。開発するソリューションはそこが中心になっていくのでしょうか。

  必ずしもピッキングになるとは限りません。あくまで荷主企業の課題に基づいたものになります。おっしゃる通り、荷主の課題観がピッキングであることは多いのですが、その前後にある出庫や梱包などの工程に課題を抱える企業もいますので、やはりそこは荷主企業によって変わってくると思います。例えば、ECの物流施設などでは24時間稼働の現場もあって、膨大な在庫の棚卸を人手で行っているケースもありますので、そういった作業の負荷を軽減するようなソリューションも必要でしょうし、本当に多岐に渡ってくると思います。今後はより多くのテクノロジー企業にパートナーとして参画してもらい、いろいろチャレンジができればと考えています。

――  テクラムについてLNEWSの読者へメッセージを。

  物流という事業領域や業界は社会を支えるインフラとして非常に重要な役割を果たしていると認識しています。だからこそ、いろいろな方々と力を合わせて目前に迫っている人手不足などの課題をしっかりと解決し、さまざまな産業の成長を支える基盤として持続的な成長ができるようにしていく必要があると思っています。テクラムはまだ規模が小さい駆け出しの取り組みではありますが、より多くの企業に参画して頂き、課題の解決を図っていければと思います。テクラムの取り組みに賛同して頂ける企業であれば是非参画して頂き、今後の取り組みにつなげさせていただければ幸いです。

――  ところでテクラムという名前はどなたが考案したのですか。

  これはチームで考えました。ちょうど日本で開催されたラグビーのワールドカップが終わった時期でもありましたので。はじめは「テックスクラム」のような名称の案だったのですが、「略してテクラムがいいよね」とチームで見解がまとまりました。ラグビーは来年に国内で新リーグが立ち上がるようですし、その活気がテクラムにもつながれば嬉しいですね。

<網課長>
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■プロフィール
野村不動産 都市創造事業本部 物流事業部 事業企画課 網 晃一課長

前職では、都市銀行にて卸売業界を中心に中小企業への融資を担当。野村不動産へ入社後は、商業施設の開発や小売現場の運営を経て、物流の事業企画に従事。また、同時期にグロービス経営大学院にてMBA(経営学修士)を取得。

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