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「退路を断ち 前進する業務改革」
基盤施設の再構築を図る

2022年01月05日/物流最前線

<東京主管支店ターミナル棟5階>
20211220fukutsu7 520x300 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

<福山レールエクスプレス号>

<25mダブル連結トラック>
20211220fukutsu8 520x284 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

<貨客混載の福山グリーン便>
20211220fukutsu9 520x374 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

拠点を再構築しターミナルを見直す

――  さて、今後の御社の取り組みを伺いたいと思います。

小丸  まずは、各ターミナルの再構築というものを打ち出しています。現在も進めていますが、東京、名古屋、岡山、福岡には基幹となる施設をきちんとリニューアル整備していく、そして見直しを図るということがあります。先日、東京主管支店ターミナル棟5階に荷捌場及び荷物自動仕分装置を増設したと発表しましたが、これもその一環のものです。施設を整備していくことで、労働生産性を上げることが最も重要なことです。特に荷物自動仕分装置による自動化は、今後絶対必要になるため、全力を挙げて取り組みます。

――  AGV(無人搬送車)とかのロボットの導入はどうでしょう。

小丸  荷下ろしや積み込みの部分では役立つと思いますが、ピッキング等ではまだまだですからね。しかし、今後ますます機械による自動化は進んでいくでしょう。

――  御社はかなり早い段階からモーダルシフトとして鉄道を利用されていますね。

小丸  専用ブロックトレイン「福山レールエクスプレス号」ですね。基本的には、将来のドライバー不足を考えてのことです。それと輸送力の強化ですね。2012年7月にJR貨物とブロックトレインプロジェクトチームを設置し、2013年3月に東京~大阪間の福山レールエクスプレス号の運転を開始しました。その後も東京~福山間、名古屋~福岡間、大阪~盛岡間と運行路線を増やしています。これにより、CO2削減量は4路線合わせて、年間9万3098トンにもなります。

――  4路線すべて31ftコンテナをそれぞれ1日往復していますね。

小丸  そうですね。しかし、ゴトコン(5トンコンテナ・12ft)で運んでもペイできないと思います。以前は東北などでは31ftコンテナが珍しがられました。それだけトラック輸送が日本中くまなく入っているわけではないことを感じましたね。

――  25mダブル連結トラックの実用化もされていますね。

小丸  当社が日本初となる25mダブル連結トラックの運行を開始したのは、2017年10月16日のことでした。一人のドライバーで大型トラック2台分の荷物を輸送することができるわけですから、労働生産性の向上とCO2削減にも効果的です。愛知県北名古屋市と静岡県裾野市間において運行を開始しました。現在では、栃木県栃木市~岩手県北上市、広島県福山市~福岡市東区、愛知県名古屋市~埼玉県入間市、山口県下関市~広島県福山市、広島県福山市~静岡県裾野市までの計7路線で運営しています。そのため、大型けん引免許取得者が1578名在籍していますので、今後も拡大していくつもりです。ただ、課題はあって、道路の規制や橋の問題、ドライバーの高速道路でのサービスエリアの利用等、いろいろ改善していく必要がありますね。

――  この夏からは、名阪特急を使用した「貨客混載」も開始しています。

小丸  2021年の7月からでした。大阪市内と名古屋市内間で名阪特急アーバンライナーを利用して当日配送サービスとして開始しました。サービス名は福山グリーン便とし、これも同様にドライバー不足の解消、安全輸送で安価な当日配送により、利便性向上、CO2排出量削減をねらったものです。

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