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街と一体化した巨大物流施設
全解剖「グッドマン常総」

2023年03月08日/物流最前線

<倉庫内イメージ>
20230228goodmanr1 - 物流最前線/巨大物流施設「グッドマン常総」全解剖

<フロア概要>
20230228goodmanr2 - 物流最前線/巨大物流施設「グッドマン常総」全解剖

先進のフロア設計で自動化にもベストマッチ

次に、最も重要な施設のフロアプランを見てみよう。実際、マルチテナント型施設としての必要な要素はすべて網羅していると言っても過言ではないだろう。基本構造は、敷地面積2万6660坪(8万8150m2)、総賃貸面積5万2500坪(17万3250m2)、柱RC造、梁S造5階建て、高床式で、1フロア賃貸面積約1万500坪(3万4650m2)、最小賃貸可能面積約2600坪(8250m2)とグッドマンでも最大級の倉庫空間を誇る。

長方形でレイアウトしやすく、使いやすい倉庫エリアとし、自動化・マテハン導入にも最適化している。構内はワンウェイ動線とし、安全性に配慮、トラック動線と通勤乗用車動線を確保している。1~5階までの車路はすべて全天候型ピロティ車路を採用。風雨に影響されず作業が可能だ。「また、45フィートコンテナの大型車両が直接各階にアクセス可能なダブルランプを備えています」と坂本リーシング統括部長はさらなる特徴を付け加えた。

また、シャッターはトレーラーウィング車対応の高さ5.4mを確保。シャッター高さを気にせず作業が可能となる。トレーラーウィング車が増えているだけに、うれしい配慮だ。バースは柱型が出ない仕様、トラック横付けも可能。倉庫側からの積み降ろしができるため運用効率をアップできる。

その他、計画内容では、天井高は梁下有効高さは5.5m、床荷重は1階が2.0トン/m2と強力で、2~5階は1.5トン/m2と標準仕様としている。標準仕様でも大丈夫だが、重量物を高く積むケースや今後ロボット化による自動化が進めば、ロボット等の重量級の機器が入ることも想定されるだけに、より強固な仕様を採用しているようだ。

物流施設としての付加的設備面として、サステナビリティを推進する目的で多彩な展開を図っている。まず、太陽光発電による4メガワットの電力を施設内で利用できる。併せて蓄電池を設置する計画だ。EVトラックの普及を見越して、EV充電ステーションも設置する。

「今後自動化が進む倉庫において、重要な要素となるのが、電力問題です。一昔前とは違い、従業員のための空調も多くなり、商品のための空調も増えています。そのほかに、自動倉庫や搬送ロボット類も増えてきます」と坂本リーシング統括部長。その対応策として「ますます電力消費は増えると予想していますので、太陽光パネル発電等も含めて、特別高圧でかなり多めに電力量を確保しています」と設備面でも万全の自信をのぞかせた。

環境面では、アメニティの部分でも一部紹介したが、充実した植栽とアーバンガーデンを実現。BELS評価「ZEB」国内最高評価取得予定。環境に配慮した認証CASBEE Sランクを取得予定だ。そして、依然として続く新型コロナの感染症対策として非接触システムを採用するとともに、物流施設として最高水準のサスティナビリティ(持続可能性)を推進している。

最後に坂本リーシング統括部長は「グッドマンはグローバルで活動しています。その意味では、先に述べた世界の潮流であるゼロカーボンの世界を目指している企業でもあり、環境面では最先端を行っているつもりです。こうした環境面への取組みは、今後の様々な企業の在り方を決定的にするものであると考えています。そのため、現在できうる限りのゼロカーボン施策を施した施設作りに注力しています。そして、人手不足対策には、県や市町村との協調を図りながら、協力していく姿勢を打ち出しています。さらに、このところ建設費用や土地代を含めてあらゆるものが値上がりしています。今回の開発の特徴は早くから土地を抑え、工事費用も契約していたため、エリア的にも非常に価格競争力の高い物件となりました。2023年7月竣工予定のグッドマン常総の後、2024年度末竣工予定のグッドマン常総2も控えています。今後のグッドマンにより一層期待していただけると思います」と語り、まさに今後の完成を楽しみにしている余裕さえ感じた。

取材・執筆 山内 公雄

<グッドマンジャパン坂本聖司リーシング統括部長>
20230224goodman3 - 物流最前線/巨大物流施設「グッドマン常総」全解剖

■プロフィール
グッドマンジャパンインベストメントディビジョン
リーシング&ビジネス・ディベロップメント統括部長
坂本聖司(さかもと せいじ)
物流に特化した土地の取得、テナント誘致等に約20年従事する。東京都出身。
なお、グッドマンジャパンは、産業用不動産の所有、開発、管理を世界14ヶ国で展開する。近年では印西市に物流施設5棟、データセンター3棟、アメニティエリアから成る日本で初めての物流施設を中心としたビジネスパークを開設。入居率100%にて稼働中。

■物件概要
名称:グッドマン常総
住所:茨城県常総市三坂新田町
敷地面積:8万8150m2
総賃貸面積:17万3250m2
建物形体:柱RC造 梁S造 5階建て 高床式
床荷重:1階2.0トン/m2  2~5階1.5トン/m2
建物寸法:建物幅273m、奥行130.8m
天井高:梁下有効5.5m(一部を除く)
駐車場:普通乗用車700台 電気自動車10台

■内覧会のご案内
https://www.lnews.jp/images/2023/03/joso_seminar_2023_fix.pdf

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