帝国データバンク(TDB)は4月8日、2025年度の「道路貨物運送業」の倒産発生状況について調査・分析を行い、その結果を発表した。
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それによると、道路貨物運送業の倒産件数は2025年度で321件となり、前年度の351件を下回った。一方でリーマン・ショック時にあたる2008年度の371件、2024年度の351件、2009年度の341件に次いで過去4番目の高水準となっており、高止まりの状態は依然として続いている。
背景には、「人手不足」「燃料価格の上昇」がある。人手不足を要因とした倒産(人手不足倒産)は、2025年度で判明した全業種441件のうち、道路貨物運送業者は55件で全体の12.5%を占めた。
また、物価高を要因とした倒産(物価高倒産)は、2025年度で判明した全業種963件のうち、道路貨物運送業者は91件で9.4%を占めた。倒産件数が高水準となった2008年度にも、軽油価格の高騰によるコストアップが収益悪化の要因とされており、現在の状況はこれと共通している。
その一方で、2008年度当時は景気減速を要因とした受注難が発生していたが、現在は物流ニーズがあるなかで人手不足により受注しきれない状況となっており、以前とは状況が異なる。
労働人口が減少しているだけでなく、ドライバーの高齢化、時間外労働問題、他業界との人材確保競争、賃上げなど、人員に関連したコストアップに加え、燃料費を軸とした物価高の問題も課題だ。
特に収支改善において重要な軽油価格は、中東情勢の緊迫化を背景に一時リットル当たり180円に迫るなど、人手不足のほかに物価高の問題が運送業者にとって大きな負担となっている。
政府による緊急的激変緩和措置として、ガソリン補助金を4月2日~8日は過去最高額の49.8円にするとしているが、情勢の不透明感が続くなか、先の見通しを立てることも難しくなっている。
今後、道路貨物運送業の倒産は高水準で推移する可能性が高いと見られ、業界改善には運送料金の引き上げや、多重下請け構造の改善、共同輸送、価格転嫁率の改善などが不可欠となると見られている。
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