日本郵船とグループ会社のMTIは4月15日、イギリスを拠点に船舶・航空機向けの脱炭素業務支援システムを提供するSignol Limited(Signol)と連携し、船員の日常の運航業務での行動変容による脱炭素推進に向けた効果検証トライアルを開始したと発表した。
検証では、日本郵船グループで運航する33隻の船舶の運航データをSignolのサービスで分析し、船員に「ナッジ(行動変容を促す働きかけ)」となる業務改善アドバイスを提供し、脱炭素に対する意識の醸成と、船上での具体的な行動変容の促進を図る。
海運業界では、国際海事機関(IMO)による温室効果ガス(GHG)削減目標に従い、脱炭素化に向けた取り組みを促進させている。日本郵船グループでは、新技術等による船舶自体の省エネルギーに加え、船員の個人活動でも脱炭素を推し進めてきた。
Signolは、行動科学を活用したデジタルプラットホームを用いて各船の運航データを分析し、船員に対して個々の業務行動履歴や運航状況に基づいた個別の目標設定やフィードバック、具体的な行動アドバイスを提供する。
これにより、燃料消費やCO2排出量に対して船員の業務が与える影響を可視化し、燃料節約へ向けた業務改善を促進する狙いだ。
約6か月間の検証前後の脱炭素データを分析することで、船員を主体とした脱炭素への貢献可能性を調査する。また今回のデータは米国コロンビア大学へ提供され、今後、コロンビア大学、日本郵船、MTI、Signolの共同研究として学術論文の発表を検討しているという。
日本郵船とMTIは、Signolと共に、船員の脱炭素へのモチベーションを、日々の運航業務を通じて発揮される海運業界の脱炭素化へ向けた重要な推進力と位置づけ、船上での具体的な行動変容を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとしている。
