物流施設の種類
物流施設というと、倉庫やトラックターミナルを思い起こすことが多い。しかし、モノ(商品や物資)を扱う施設全般として幅広く考えると、(1)物流センター、(2)広域物流拠点、(3)卸売市場、(4)都市の施設内の物流施設、の4つに分けることが多い(表1参照)。
物流センターは、民間企業(メーカー、卸小売業、物流事業者など)の物流施設を指し、流通センターや倉庫などの種類がある。
広域物流拠点は、主に公共部門の物流施設を指すことが多く、港湾・空港、鉄道貨物駅、トラックターミナルなどがある。
卸売市場は、青果物、水産物、肉類、花き等の卸売りのために開設される市場である。
都市のさまざまな施設内の物流施設として、工場の物流施設、商業施設の物流施設、病院の物流施設、ビル・マンションの物流施設などがある。具体的には、工場に併設される資材センター、デパートや大型ショッピングモールなどでの商品の保管庫、病院の資機材や薬品の保管庫、高層ビルの荷さばき施設やマンションの宅配ボックスなどもある。
物流センターの種類と特徴
物流施設のうち物流センターは、5つ(DC:流通センター、TC:通過型センター、PC:流通加工型センター、SP:保管型センター、DP:配送型センター)に分けることが多い。
DC(Distribution Center、流通センター)とは、入荷から出荷までの業務全般をおこなう施設で、一般的には保管、ピッキング、商品仕分けを中心として、小分けや値札付けなどの流通加工、こん包やラッピングなどの包装もおこなう。さらには、受発注業務や返品業務などの商流機能を担うこともある。DCのうち、配送に特化したものを配送センターという。
TC(Transfer Center、通過型センター)とは、納品先がすでに決まっている商品を入荷し、そのまま仕分け・配送をおこなう施設である。商品の流通を担う卸小売業の物流施設に多く見られる。
PC(Process Center、流通加工型センター)とは、生鮮食品や調理品などを扱い、流通加工や包装をおこなう施設である。食材のカッティングやパック詰め、総菜の調理などをおこなうとともに、店舗別仕分けをおこなう。
SP(Stock Point、保管型センター)とは、卸小売業が商品の一時保管をする施設や、メーカーが部品等の在庫を一時的に保管する工場近傍の施設である。長期間保管する施設(倉庫、Stock Center)をSCとすることもあるが、ショッピングセンター(SC)と混同されることもあるので、あまり使われていない。
DP(Depot、Delivery Point、デポ、配送型センター)とは、宅配便の集荷と配送など比較的狭いエリア内を担当する小規模の施設をさすことが多い。
物流施設の計画手順(種類、配置、建物・設備)
物流施設の計画では、第1に「どのような物流施設(物流センターなどの種類)」にして、第2に「どのように物流施設を配置」し、第3に「どのような建物と設備にするか」が重要である。この3つの計画は、それぞれ企業の実態や経営判断に従って決められることになるが、特に第2の配置計画は代替案も多く、判断の難しい面がある。
そこで、ここでは物流施設の配置計画に着目することにする。
物流施設の配置計画の課題
物流施設の配置計画では、基本的に5つの課題がある。
すなわち配置計画を進めるとき、(1)生産地と消費地を結ぶ物流ネットワークのなかで、どこに物流施設を立地させるか(立地場所)、(2)配送地域(消費地)用に、いくつの物流施設を設けるか(施設の数)、(3)配送地域(消費地)の中心部から、どの程度の距離に物流施設を置くか(施設の位置)、(4)物流施設から配送先への配送頻度を、どう考えるか(配送頻度)、(5)配送サービス水準と物流施設の数・位置の関係を、どう考えるか(サービス水準)、である(表2参照)。
次回以降(第38回~第42回)は、この5つの課題について順次考えていく。
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