アセンド/第3回カンファレンス開催、現役CLOら招き物流改革加速へ議論

2026年04月23日/SCM・経営

アセンドは4月22日、東京都内で「第3回ロジックスカンファレンス」を開催した。

今回のテーマは「物流を経営の核へ。CLOが果たすべき真の役割とは」。これまで2回にわたり物流が直面する課題と変革について多彩なゲストを招き議論を重ねてきたが、今回は4月の改正物流効率化法施行後というタイミング。現役CLO(物流統括管理者)である日清食品専務取締役の深井雅裕氏をはじめ、元キユーピー上席執行役員の藤田正美氏、流通経済研究所理事長の加藤弘貴氏の3名が登壇し、講演やパネルディスカッションを行った。

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開会にあたり、アセンド代表取締役の日下瑞貴氏(写真:右端)は、「今、物流の価値を捉えなおす局面に来ている。物流は経済の血脈であり、物流が変われば日本が変わる。今回の各種法改正は法の遵守自体がゴールではなく、むしろフックとして、サプライチェーン全体を改革していくことが一番の意義ではないか。カンファレンスではこれまでの物流改革を牽引してきた過去の蓄積と教訓を先駆者に学び、正面から本質に迫っていきたい」と、開催の意義を語った。

「CLOは構造を読み、判断を引き取る主体」と藤田氏

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続いて元キユーピー上席執行役員の藤田正美氏(現 Fujita Office 代表)が、「物流危機時代のCLO」をテーマに講演。藤田氏は1979年にキユーピーに入社、2006年から物流担当としてロジスティクス改革と全体最適を推進し、加工食品物流の商慣行見直しや企業間連携を実践。政府物流関連会議にも実務家として参画してきた。

その経験をもとに過去30年を振り返り、「現在の物流危機の本質は、各社・各部門の個別最適や商慣行に起因する構造問題にある。これまで企業内に構造を理解し、判断を引き取る主体が不在だった」と指摘。その上で、法改正や労働時間規制、公正取引委員会による取引適正化の動きが進む中、「荷主は『知らなかった』では済まされない段階に入っている」と警鐘を鳴らす。

今後、CLOに求められるのは「構造を読み、判断を引き取り、その責任を負うこと」。単なる調整役ではなく、経営判断を担うポジションであり、危機が起きにくいサプライチェーンを設計する機能として「必要なのは能力ではなく逃げずに向き合い、判断を引き受ける胆力だ」と語った。

SCMの本質とは-流通経済研究所・加藤氏が解説

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流通経済研究所理事長の加藤弘貴氏は、サプライチェーンマネジメント(SCM)の本質について解説した。ロジスティクスの語源である「兵站」に触れつつ、「ビジネスにおいては消費者へ効率的に商品を届けるための計画・管理機能として概念が拡張してきた」と説明。その上で、物流最適化には前後工程との連携が不可欠であり、企業内にとどまらない業界横断での情報連携(DX)や標準化が求められる。ここをCLOが担っていくことになるとの認識を示した。

日清食品・深井氏、実務の最前線を紹介

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日清食品CLOの深井雅裕氏は、自社のサプライチェーンのありたい姿として「物流をコストセンターから『価値創造の源泉』への転換」と明言。実務の最前線から可視化やDX化、他社との共同配送などの具体例を紹介するとともに、物流クライシス課題に必要なポイントとして、1.トップのコミットメントと経営視点、2.社会課題の解決をゴールに設定すること、3.取引ではなくパートナーとして共同で価値を創造すること、の3つを挙げた。

そのための施策として、着荷主起点のアライアンス推進や共同保管起点の共同配送、業務プロセスやコストの可視化などに取り組むとともに、「卸・小売起点の共同保管・共同配送の実現に向けて、多くの企業と協議を進めている」と現況を語った。

またCLOが社会課題解決に果たす役割について「物流維持にかかるコストを可視化することで、サプライチェーン全体での建設的な議論が可能になる」とし、関係者全体でデータに基づく意思決定を行う重要性を強調。CLOを支える体制づくりについては、「最も重要なのは何を実現したいかという意思」と述べ、サプライチェーンを軸に社会へどう貢献するかという目的意識が、施策の方向性を決定づけるとの考えを示した。

今回のカンファレンスでは、実務者や有識者の視点をもとに、これからの物流を経営の中核機能として再定義し、CLOを起点としたサプライチェーン改革の必要性が改めて共有された。法規制強化を契機に、企業・業界を超えた連携と全体最適への取り組みが、今後一層求められそうだ。

国交省/「物流統括管理者(CLO)のあるべき姿」提言を公表

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