業界横断の荷主連合による共同配送コンソーシアム「CODE(Cargo Owners’ Data-driven Ecosystem)」は5月7日、東京都内で第1回代表者会議を開催した。
コンソーシアムは、花王と三菱食品が幹事企業となり、旭食品、あらた、トーハン、日本出版販売、PALTAC、三井物産流通グループ、メディセオを含めた荷主企業9社が、近・中距離輸送(支線配送)領域に関する輸配送データの集約・共有などを通じて、トラックやドライバーをはじめとする輸配送リソース活用の最大化を目指す。
第1回代表者会議の冒頭あいさつで花王の森信介執行役員ロジスティクス部門統括CLO(物流統括管理者)は、これまで幹線輸送では共同輸送プラットフォーム構築による輸送効率向上など成果の出ている事例があるが、支線配送領域では納品条件に合わせた対応をはじめとする課題があり、共同化などが進んでいないと説明。CODEの掲げる「データドリブンな共同配送の実現」に向けて、参画企業のリアルな配送データを掛け合わせ、支線配送での課題を乗り越えたいと抱負を述べた。
続いてあいさつした三菱食品の田村幸士取締役常務執行役員SCM統括兼CLOは、荷主企業の物流担当者はこの数年間、難しいかじ取りを迫られており、当たり前に提供されてきた物流の機能維持の可能性を問われかねない状況に陥っているとしたうえで、CODEはこうした厳しい状況に対し、荷主企業として能動的にデータを活用することで課題を乗り越える「同志企業の集まり」であるとの認識を強調。フィジカルインターネットの実現を見据えながら、異業種・異業態の企業による横断的な取り組みを強力に推進していく姿勢を示した。
CODEの運営は、幹事企業が実務を担当。共同配送の検討と成果の共有を確実に推進するため、担当者による実務者定例会を月に1回開催するとともに、CLO・物流本部長クラスで構成される代表者会議を半年に1回程度開いて、成果や進捗(しんちょく)に関する情報共有や運営方針に関する議論などを行う。
任意団体として発足しているが、将来的な法人化も視野に入れて活動を進める。活動に関する各種コストは、当面は幹事社負担を前提とするが、持続的な運営の観点から将来的な会費制導入を念頭に協議を行う。
具体的な取り組みについては、「データドリブンな共同配送の実現」「物流事業者・ドライバーにとっての取り組み価値の重視」「データガバナンス・コンプライアンスの徹底」をテーマに掲げており、「データドリブンな共同配送の実現」では、コンソーシアム内で「多対多」のマッチングを行うため、「データプラットフォーム」と「コースマッチングツール」により、参加企業同士が共同配送できる可能性が高いコースの組み合わせを可視化できる仕組みを構築する。
データプラットフォームは、特定企業の社内環境に全企業のデータが格納されるのを避けるため、外部のクラウドプラットフォームSnowflakeを活用。参加企業はデータをSnowflakeに格納し、幹事にアクセス権を付与することでマッチングが可能になる。
会議後の会見で花王の森執行役員は、支線配送領域では各社の納品先が細分化されており、共同配送の組み合わせが限られていたが、多くのデータを活用することで複数企業の配送エリアの「面と面が重なる」ことから、コースマッチングを通じた車両の融通につながる可能性が高まると指摘。第2段階の混載マッチング実現に向け、コースマッチングでの実績を重ねながら幅広い業界の荷主関係者に参加を呼び掛けることで、取り組みの成果を厚くするとのビジョンを示し、「日本の物流を変えることに本気でチャレンジしたい」と意気込みを語った。
三菱食品の田村取締役は、CODEに物流企業としての役割を持たせる考えはないと述べたうえで、「これまで解決は無理だと思いこんできた課題に対する概念の枠を外し、どうすれば一緒に運ぶことができるかを考えるために9社が集まった」と述べ、従来は積み合わせが避けられてきた品目同士の混載などについても、先入観なく解決方法の検討を行っていくことが重要であるとの考えを強調した。
花王・三菱食品/業界横断荷主9社参加の共同配送コンソーシアム発足


