食品値上げ/前年比6割減ペース、中東情勢で物流費など懸念

2026年05月07日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)は4月30日、2026年5月以降における食品の値上げ動向と今後の見通しについての分析結果を発表した。

<月別値上げ品目数 推移(2024年以降・4月30日時点)>
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調査結果によると、主要な食品メーカー195社における家庭用を中心とした2026年の値上げは、1~9月の累計で6290品目が予定されている。

年間の値上げ品目予定が1万品目を超えていた前年同時期(2025年4月、1万4409品目)と比べると、現時点で予定されている値上げは、約6割減のペースでの推移となっている。

4月調査時点での2026年の値上げをみると、1回あたり平均値上げ率は15%で、前年通年(15%)と同程度の水準で推移した。5月以降では、6月(906品目)・7月(952品目)ともに単月あたり1000品目を下回っているほか、8月以降でも前年水準を下回っている。 

<品目数ベース 値上げ要因の推移(2024年~2026年)>
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値上げ要因としては、原材料などモノ由来の値上げが多く、「原材料高」の影響を受けた値上げは99.6%で、集計を開始した2023年以降で最も高い水準だった。

「包装・資材」(69.9%)は前月を上回っただけでなく、4月調査時の水準としては前年(60.2%)も大幅に上回り、年間では2023年以降で最高ペースでの推移となった。従前から続いた資材高の影響を受けた値上げが中心であったが、中東情勢の悪化に伴う、包装資材費の高騰による値上げが出始めた。

これに対し、「物流費」(73.6%)、「エネルギー」(59.5%)、「人件費」(49.4%)は、前月調査時から低下。原材料や資材高によるコスト上昇を価格に転嫁する動きが続く一方で、賃上げなど労務費由来の値上げが相対的に減少しつつある。

<食品企業 原油高による主力事業の縮小時期>
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これまで2026年の値上げは、政府による輸入小麦の売り渡し価格引き上げや、円安水準の長期化が輸入コスト高を招いたほか、2025年から続く物流・人件費などの値上げ要因がありながらも、緩やかなペースにとどまると見られていた。

しかし、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で起きた中東地域の地政学的リスクやホルムズ海峡の混乱が、飲食料品の値上げ動向にとって無視できないものとして表面化しつつある。

食品包装フィルムや石油由来の樹脂素材でコスト上昇圧力が顕著になり、包装・資材分野では強力な値上げ圧力が見られる。

ナフサ供給不足や大幅な価格水準の高止まりが続いた場合、時間差を伴いながら包装資材コストが新たな負担要因として顕在化するため、今後の動向は極めて不透明感が強い。

ホルムズ海峡の事実上の封鎖が早期に解除された場合でも、石化製品における物流混乱は長期にわたって影響を及ぼすとの見方が多く、原油高に連動した原材料や輸送コスト増の影響、今夏以降に上昇が見込まれる電気・ガスといったエネルギーコストなど、各方面で複合的なコスト上昇圧力が予想される。

こうした情勢を受け、飲食料品では早ければ今夏中、遅くとも秋ごろにかけて広範囲な値上げラッシュ再燃の可能性が高いとみられる、としている。

食品値上げ/物流費由来の価格改定が再加速、中東情勢も影響

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