帝国データバンク(TDB)が5月8日に発表したTDB景気動向調査によると、4月の国内景気DIは前月比1.4ポイント減の41.5となり、2か月連続で悪化した。原油価格の高騰や調達コストの負担増と価格転嫁の遅れ、個人消費の落ち込みから大きく後退した。
4月は、中東情勢を背景とする燃料・原材料コストの上振れが、価格転嫁の進展を上回るスピードで企業の収益環境を悪化させていた。塗料などの資材不足が顕著な建設業などで厳しく、節約志向が一段と拡大したことも悪材料となった。
一方で、株価が終値で6万円台をつけるなど金融市場は好調。売り上げと生産・出荷量は底堅く、雇用・賃金環境も改善傾向を維持していた。
今後の景気は、原油高が企業収益や物流費、家計負担を下押しするなど、高まる不確実性の中で下振れリスクを抱えながら、弱含みで推移するとみられる。
10業界中9業界が悪化、「運輸・倉庫」は0.7ポイント減
業種別では10業界中9業界で悪化。「運輸・倉庫」(37.8)は同0.7ポイント減となった。
特に顕著なのが「建設」(42.4)で、前月比3.9ポイント減。「ホルムズ海峡の問題で原油を基に作られる製品が滞り、土木・建築工事が停止している現場もある」(一般土木建築工事)という声も聞かれ、塗料や接着剤、防水材料などの資材不足や高騰が悪材料となった。
加えて、燃料価格の上昇を背景に、運搬コストの増加や重機の燃料費の上昇も押し下げ要因となり、熟練技能者の不足による施工能力の低下も課題となっている。
TDBは調査をふまえ、「仕入れ単価DIが急上昇、販売単価DIとのギャップも高まり、企業の価格転嫁が追いつかない状況にある」と分析。
燃料および原油関連商品の供給制約に起因する価格高騰に対し、多くの企業がコスト負担の増大を懸念しているとの見解を示した。
同調査は2万3083社、有効回答企業1万538社、回答率45.7%を対象に、調査・集計したもの。
TDB景気動向調査/運輸・倉庫が5か月ぶりに大幅悪化、個人消費冷え込む

