JILS物流改善大会2026/過去最多48事例発表、優秀事例に花王など選定

2026年05月13日/3PL・物流企業

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日本ロジスティクスシステム協会(JILS)・日本物流資格士会が主催する「全日本物流改善事例大会2026」が5月12日、13日の2日間にわたり、東京コンファレンスセンター・品川で開催された。

<会場の様子>
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大会は物流現場の主軸となる「現場力」の強化を目的として、全国で取り組まれた物流現場の改善事例を発表する場。今回で40回目の開催となり、過去最多となる48の改善事例が発表された。

JILSの青柳幸一マネージャーは、昨今の改善事例大会について「ここ数年で法改正や2024年問題があった中で、取り組んだ事例の数自体が増えていると感じる。大会自体も過去最高の反響数で、どうしても選考せざるを得ないくらいに応募が増えてきた。また、荷待ち時間や積載率といった成果が増えている印象もある」と話した。

応募事例は、物流センター等での現場改善を対象とした「物流業務部門」と、運営・管理部門での改善を対象とした「物流管理部門」の2部門で募集。会場をAとBの2ホールに分け、同時並行して発表を行った。

<2026年度物流現場改善優良認定の授賞式の様子。左から、東京海洋大学の黒川久幸教授、花王の笠原謙一ロジスティクス部門オペレーション革新部長>
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2日目となる13日には、各登壇者の発表前に「2026年度物流現場改善優良認定 表彰式」が実施。4社が「優秀事例」に選ばれ、花王、SBS東芝ロジスティクス、コマツ物流の3社がダイヤモンド認定を、サッポログループ物流がプラチナ認定を受けた。

優秀事例の発表者には、今大会の実行委員会で副委員長を務める、東京海洋大学の黒川久幸教授から記念のクリスタルが授与された。

<左から日本ロジスティクスシステム協会の飯田正幸氏、MDロジス三田事務所の城阪隼係長、同上野剛暉氏>
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事例発表では、AとBのスペースにそれぞれ1日4セッション、1セッションにつき3事例の発表で2日かけて計48事例が公開された。

2日目最初の発表となったMDロジスは、「24年問題への対応/構内物流動線の整流化」をテーマに、取り組んだ改善内容を紹介。三田営業所で発生していた構内での慢性的なトラック渋滞に対し、状況の精査と根本的なトラック動線の改善を実施した。

調査によると、定時内に入構してくるトラック数は30分につき6.1台となっており、既存のトラックヤード5台では対処できないことが判明。これに対し、積み下ろし作業場のレイアウトを大きく変更。他エリアの縮小も並行し、7台分のトラックヤードを確保したことで、渋滞緩和を実現した。

また、入構車両の6割が他社手配によるトラックであったことを受け、他社の入構車両でも活用できるトラックバース予約システムとして「MOVO Berth」を導入。

こうした改善を経て、荷待ち時間の平均は1台当たり17分から4分へ短縮、荷待ち時間が1時間を超過する車両は週6台平均から週0台平均に激減した。また、荷役時間の平均も1台当たり18分から15分と短縮されている。

なおこの事例に際しては、物流業界2024年問題による荷待ち時間の短縮が急務となったことも、改善が進んだ要因だとしている。

MDロジス三田事務所の城阪係長は今後の継続課題として「2026年4月から本格施行される改正物流効率化法では、努力目標として荷待ち時間と荷役時間の合計が1時間以内であることが定められている。現在その努力目標を達成できているが、今後もこれを継続していくことが大切」と述べた。

<左から日本ロジスティクスシステム協会の飯田正幸氏、アサヒロジの山先久巳課長>
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アサヒロジは、物流改善を目的とした倉庫移転の実施中に発生した、2025年9月29日のサイバー攻撃によるシステム復旧までの経緯を公開。「システムが止まっても、物流は止めない」をテーマに発表を行った。

アサヒロジ南港支店では、アサヒ飲料に加え大手菓子メーカー1社の物流業務も担っている。2024年問題の時点で、倉庫拡大の計画が進んでおり、人的生産性の最適化や運営コストの低減といった視点からも、新たに堺市への倉庫移転を立案していた。

その最中でサイバー攻撃が発生、基幹システムおよびWMSを含むサブシステムが全面停止となった。本社では、復旧に大きな時間を要することが明らかになった翌日には、グループ事業会社と協議を実施し、10月1日出荷で10月3日・4日の納品を目指すために、オフライン出荷の体制構築と、出荷アイテムと出荷拠点を絞ることによるオフライン管理可能な環境の整備を行った。

また、システム停止状態でも堺支店の立ち上げは予定通り実施。大手菓子メーカーの物流を担うフロアは、2日間ですべての保管物約4万函を堺支店へ移転した。

アサヒ飲料の移転に際しては、原状回復を行ってからの退去が必須となったが、製品の払い出しと並行することで効率化。当初予定されていた、3か月間発生するはずだった倉庫の二重賃料を2か月に抑えることに成功している。

なお移転後は、アサヒ飲料と大手菓子メーカーの倉庫スペースを相互利用する形をとることで、互いの繁閑差を利用した効率アップにつなげている。アサヒ飲料は使用率が84%から89%に、大手菓子メーカーは77%から84%に使用効率が改善した。

アサヒロジ近畿圏支社業務部の山先久巳担当課長は、「今回の危機対応で得た、台帳の標準化、差分突合の仕組み、段階拡張の設計思想をBCPと日常改善にいかし、非常時にも止まらない倉庫モデルを構築していく」と今後の課題について語った。

■公式サイト
全日本物流改善事例大会2026

JILS新年賀詞交歓会/業種超えて連携し「新しい当たり前をつくっていく年に」

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