国土交通省は5月25日、「国際物流の多元化・強靭化に関する情報共有会合」を開き、2025年度に行った3ルートでの実証輸送結果を実施企業の担当者が報告し、関係者間で情報を共有した。
国土交通省では、国際情勢の悪化などによるサプライチェーンの混乱が発生している中、従来の輸送手段・ルートを代替・補完する輸送の実証を進めている。
2025年度は、住友倉庫、Green World Group(GWG)ロジスティクス、本田技研工業による3件の実証輸送を実施した。
神戸港から紅海・ペルシャ湾岸を回避してサウジアラビア・ダンマームへの輸送を行った住友倉庫の実証では、米国・イスラエルによるイラン攻撃が行われる前のコスト比較で通常輸送の約2倍となったが、リードタイムや輸送品質、通関手続きなどについては特に問題点は見られず、実証輸送の事務局を務めたKPMGコンサルティングの担当者は、「既存ルートのホルムズ海峡、ペルシャ湾を経由しないルートでの輸送に取り組んだ点に大きな意義があった」と評価。
GWGロジスティクスによるウズベキスタン・タシケントから上海経由大阪港への実証輸送では、上海港到着が春節直前で税関・港湾作業が停止していたことなどにより遅延が10日ほど発生したが、輸送品質や通関手続き、トレーサビリティには特に問題はなく、既存ルートの「深化」という位置づけで、利用できるルートを広げる可能性が高まった。
本田技研工業が行った名古屋港発オーストラリア・メルボルン経由タイ・レムチャバン向け実証輸送では、東アジア有事などを想定し、RORO船を使用した補修部品輸送を実施。コストが通常輸送の約4.8倍となったほか、湿度により外装木箱にカビが発生するなど、コスト面や輸送品質面での課題を把握した。
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