食品値上げ/6月にも年間1万品目突破へ、中東情勢で包装・物流費上昇

2026年05月29日/調査・統計

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帝国データバンク(TDB)は5月29日、2026年6月以降における食品の値上げ動向と今後の見通しなどについての分析結果を発表した。

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月別値上げ品目数 推移(2024年以降・5月29日時点)

調査結果によると、主要な食品メーカー195社における家庭用を中心とした2026年の値上げは、1~10月の累計で9307品目が予定されている。

6月中には、調査を開始した2022年から5年連続となる年間1万品目を突破する見通しだ。前年同時期の1万6224品目と比べて、前年同期比4割減のペースで推移する一方で、夏以降の値上げ品目数が大幅に増加傾向にある。7月は2269品目と、4月以来3カ月ぶりに単月で2000品目を超え、2025年12月以来7か月ぶりに前年を上回る。また今後、8月(現在849品目)・9月(現在580品目)ともに単月で1千品目を超える可能性がある。

5月調査時点での2026年の値上げをみると、6月の飲食料品値上げは1078品目、1回あたりの平均値上げ率は14%で、前年通年(15%)と同程度の水準で推移した。

単月の値上げ品目数が1000品目を超えるのは、2026年4月以来2か月ぶりとなる。前年6月の1940品目と比べて半数程度ではあるものの、前月の84品目からは13倍と大幅な増加が見られた。

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品目数ベース 値上げ要因の推移(2024年~2026年)

値上げ要因としては、「原材料高」の影響を受けた値上げが97.7%で、全要因のなかでは最も高いが、3月以降は低下傾向で推移した。

一方で、「包装・資材」(73.7%)は前月を上回り、5月末時点の水準として初めて7割台での推移となった。トレーや容器などナフサ由来の資材価格高騰をはじめ、中東情勢による影響が要因となった値上げは22.7%を占めた。

これに加え、「物流費」(74.1%)は中東情勢の悪化による原油高などの影響を背景に前月末から上昇し、2026年内では最も高い水準となった。

「人件費」(54.7%)は上昇したものの、「エネルギー」は53.0%と低下。中東情勢の悪化による資材高や輸送コストの上昇分を価格へ転嫁する動きが強まっている半面、賃上げなど労務費由来の値上げが相対的に弱含み傾向にある。

これまで2026年の値上げは、政府による輸入小麦の売り渡し価格引き上げや、円安水準の長期化が輸入コスト高を招いたほか、2025年から続く物流・人件費などの値上げ要因がありながらも、緩やかなペースにとどまると見られていた。

しかし、米国とイスラエルによるイランへの攻撃に伴う中東地域のリスク、ホルムズ海峡の混乱が国内産業に波及。石油由来樹脂の供給量低下やコスト上昇圧力が顕在化した。食品分野でも包装資材が大きな影響を受け、パッケージの変更や一部商品の製造休止、商品点数の集約など、商品の安定供給に向けた体制を確保する動きが進んでいる。

また、包装資材やエネルギー、物流費の上昇分を製品価格に転嫁する動きも次第に表面化してきた。実際に、中東情勢の悪化によるコスト高などを理由とした値上げは、年内約9000品目のうち5月末時点で2割を超えており、今後はさらに高まる可能性が高いとみられる。

こうした情勢を背景に、飲食料品では今夏以降に広範囲な値上げラッシュが続くとみられる。年間の値上げ品目数累計は5年連続で1万品目を突破するとみられ、2022年以降で最少だった2024年(1万2520品目)を上回る可能性もある。

食品値上げ/前年比6割減ペース、中東情勢で物流費など懸念

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