三井化学は6月29日、経済産業省と国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内の化学品ワーキンググループ(WG)が、化学品業界で初めて全国の危険物物流動態を可視化したと発表した。
荷主15社の危険物の物流実績データを集約・分析し、西日本から中京・東日本への輸送偏在や、複数荷主による配送重複など業界構造上の課題を明らかにした。これを受け、荷主と物流事業者が一体となり、危険物輸送の長期安定化に向けた施策検討を開始した。
危険物の輸送・荷扱いは専門知識や豊富な経験が求められる。一方で、近年のドライバー不足など物流環境の変化への対応は個社単位では限界があり、業界全体での取り組みが求められていた。
同WGには荷主企業、物流事業者など86社1大学、日本化学工業協会、石油化学工業協会、経済産業省・国土交通省・厚生労働省の関連各部署等が参加。三井化学は、三菱ケミカル、東ソー、東レとともに事務局を務める。
今回、荷主15社が1年分の物流実績データを同一基準で提供し、危険物有姿品(個包装品)の物流動態を分析した。
輸送バランスに偏り、共同物流を加速
その結果、西日本から中京・東日本への輸送量が多い一方、復路貨物が少なく輸送バランスが偏っていることが判明。また、全国の多くの市区町村で複数荷主が個別配送しており、共同保管・共同配送の余地が大きいことも確認された。
<着地市区町村別の荷主数>
今回の結果を踏まえ、今後は輸送密度の低い東北、九州、関西エリアを優先対象に、荷主と物流事業者計28社が連携し、共同集配や共同保管、中継拠点活用など具体的な物流スキームの設計・検証を進める。
また標準パレットの活用や納品リードタイムの見直し、化学品物流情報標準ガイドラインの適用など、これまで化学品WGで取り組んできた施策もあわせて展開し、業界全体での中長期輸送安定化と共同物流を加速する方針だ。

