東京ビッグサイトで7月1日、「第38回 ものづくりワールド 東京」が開幕し、西2ホールで「第1回 物流DX展」がスタートした。会期は7月3日まで。主催はRX Japan。
初開催ながら約40社が出展し、配送・倉庫管理システム(WMS)、SCM/SCEM、貿易管理、労務管理など物流・サプライチェーン領域の幅広いソリューションが集結した。
会場を歩いて見えてきたのは、物流DXの軸足が大きく変わりつつあることだ。従来のテーマだった「現場効率化」だけでなく、AIやデータ活用によりサプライチェーン全体を最適化し、経営判断まで支援する提案が目立った。
ギークプラスはサプライチェーン最適化クラウド「skylaa(スカイラー)」を初披露。分断された在庫データを統合し、需要予測から在庫計画、発注までを一気通貫で支援するもので、倉庫内作業の効率化だけでなく、その上流にある需要予測や在庫計画をAIで最適化し、サプライチェーン全体の最適化につなげるソリューションだ。
手軽な価格帯から導入できるのも特徴で、2025年夏のリリース以降、日用品メーカーを中心に導入が進んでいるという。
セイノー情報サービスは、物流特化型AIエージェント「ロジスティクスエージェント」などを展示。物流統括管理者(CLO)やセンター長の判断を支援し、物流コストや品質、構造改革まで踏み込んで提案する構想を示した。
ロジスティクスエージェントは、物流センター長を補佐する機能として、AIが物流現場の状況を判断・分析・未来予測し課題解決のための改善アクションを自動実行するというもの。「物流コストや構造、品質課題など物流統括管理者(CLO)のブレーンとして、サプライチェーン横断で支援できれば」と営業推進部の板昌樹課長。2027年春のリリースを目指している。
また両備システムズは、製造から物流、販売までサプライチェーン全体を一気通貫で最適化するソリューションを展示。物流領域では「R-LOGIシリーズ」を中心に、バース管理による荷待ち・荷役業務の可視化を提案した。
同社のバース管理システムは、荷主企業の「出荷計画」を起点に車両予約、入退場管理、荷役進捗までをトータルで可視化できる点が特徴。荷待ち時間や荷役時間の削減に加え、ガバナンス強化にもつながるという。グループ会社の両備トランスポートにおける実運用モデルも紹介している。
可視化領域での展示も注目される。Hacobuは「MOVO Berth」などDXソリューションを展示。トラック待機時間を自動記録し、荷主との改善協議や運賃交渉に使えるエビデンスデータとして活用する提案を打ち出した。またAIを活用したツール開発にも注力、さまざまな現場課題に対応する最新技術を発信している。
アドバンスド・データ・コントロールズ(ADaC)は、3DCGによるデジタルツインを展示。仮想空間上で人やモノの動きを再現し、現場のムダやリスクを可視化するデモを行った。同社は車載ソフトウェア分野で培った技術を物流領域へ展開。バイタルデータ分析による熱中症対策など、次世代の現場最適化を提案し、注目を集めている。
人手不足対策では、現場オペレーションを支えるDXソリューションも存在感を示した。
ナビタイムジャパンは管理者・ドライバーの配送管理業務を幅広く支援する「輸配送管理クラウド」を展示。配車から運行、検品までをスマートフォン1台でつなぎ、輸配送管理全体をカバーするサービスとして訴求した。
リベロエンジニアは、スマートグラス「Libero Sight(リベロサイト)」を活用した倉庫DXを提案。ハンズフリーでピッキングや検品を行える仕組みで、作業負荷軽減や生産性向上を目指す。
初開催となった物流DX展は、単なる物流現場の省人化・効率化のみならず、AIや可視化、データ活用を武器に、物流を起点としてサプライチェーン全体、さらには経営改革へと広がっていることを印象づける展示会となっている。
RX Japan/「第1回 物流DX展」東京ビッグサイトで7月1~3日開催




