フィジカルインターネットセンター(JPIC)は7月3日、東京都内で「フィジカルインターネットフェス2026 ~The Next Generation of Innovators~」を、現地とオンラインで開催した。
フィジカルインターネット(PI)の社会実装に向けた啓発活動の一環として実施したもので、先進的な取り組みを進める企業各社が登壇し、共同物流やモーダルシフト、物流標準化などの事例を紹介した。午後には「CLOカンファレンス2026」も開かれ、行政による講演や「先進的なCLOが示す現場改善の極意とこれから」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
開会にあたり、JPICの奥住智洋事務局長は「PI成熟度モデル(PIMM)とCLO協議会という2つのエンジンを軸に、社会実装を加速していきたい」と述べた。その上で、物流課題の解決と企業価値向上に向け、経営視点で物流戦略を担うCLOと、現場実装を推進するLPD(ロジスティクスプロデューサー)が連携し、政府のロードマップに沿ってPI実現を目指す考えを示した。
セッションでは、オプティマインドがアルゴリズムを活用した輸配送最適化を紹介。「アルゴリズムなくしてフィジカルインターネットは成り立たない」とし、共同配送や需給変動に対応する高度な輸配送ネットワークの構築には、最適化技術が不可欠だと強調した。
SOUCOは、建材物流における倉庫シェアリング活用を提案。建設現場近隣に物流拠点を設ける「門前倉庫」により、資材搬入の待機時間削減や工期安定化につなげる実証事例を紹介した。
東京海上ホールディングスは、企業横断での中継輸送モデル「baton」を説明。複数企業による協調物流を進める上で、データ共有やリスクマネジメントを担う中立的な第三者の役割の重要性を訴えた。
また、JR貨物とSST(Sustainable Shared Transport)は、鉄道モーダルシフトとトラック輸送を組み合わせたハイブリッド輸送モデルを紹介。コンテナ単位だけでなく、パレット単位の中小ロットにも対応し、柔軟かつ持続可能な幹線輸送の実現を目指す。
ハコベルは、輸送リソースのオープン化による物流エコシステム構築を提案。マッチングプラットフォームの活用によりトラックリソースを可視化・共有した事例を紹介し、PIの第一歩として、持続可能な物流ネットワークづくりを進めているとした。
行政が主導する「フィジカルインターネット実現会議」の化学品ワーキンググループ(WG)に参画する三菱ケミカルは、化学品物流における標準化の取り組みを紹介。多様な荷姿やパレット規格の集約を進めるほか、ドライバーの荷役作業見直しなど商慣行改善にも取り組んでいる。
さらに、トヨタモビリティパーツとアスアは、自動車部品物流における共同配送を紹介。地方エリアでの低積載やドライバー不足といった課題に対し、同業者との共同配送による効率化を進めている。
登壇各社は、PI実現に向けては個社最適にとどまらず、企業・業界を横断した連携やデータ活用が不可欠との認識を共有した。
JPIC/CLOカンファレンス開催、法対応の先に見据える物流改革「虎の巻」とは

