青果物流の拠点である淀橋市場(東京都新宿区)では、自動立体冷蔵倉庫とAGV(無人搬送車)を活用した物流DXが進展している。東京都の小池百合子知事が7月7日、同市場を訪れ、物流DXの取組とエネルギーマネジメント(EMS)実証事業による次世代市場づくりの方向性を視察した。
東京都は市場機能強化の一環として、淀橋市場で新総合事務所棟(仮称)の整備や低温物流施設の拡充を進めている。これに合わせてダイフク製の自動立体冷蔵倉庫が新設され、2026年1月から稼働を開始した。同倉庫は高さ25m、約300パレット(1400㎜×1200㎜)の収容力を持つ。
同施設では、東京機械製作所(TKS)のAGVと自動倉庫をシステム連携させ、市場では初となる自動搬送システムを構築。自動立体冷蔵倉庫から卸売場までの荷物の入出庫、低温保管、荷受け台への搬送を自動化することで、青果供給の安定化と物流効率化、省人化を図っている。
<自動立体冷蔵倉庫からAGVが荷物を搬送する様子>
小池都知事は、自動立体冷蔵倉庫から搬出された段ボールを搭載したAGVが、荷受け台まで搬送する様子を見学。あわせてEMS実証事業の予定地も視察し、物流DXと省エネルギー化を組み合わせた市場機能の高度化に向けた取組について説明を受けた。
視察後、小池都知事は「東京の胃袋を支える市場の一つである淀橋市場において、物流DXを推進している様子が確認できた。市場はこれまで労働集約型で成り立っており、無人化・自動化をどう進めるか、エネルギーをどう確保するかは多くの市場に共通する課題となっている。こうした課題解決への技術開発を確実にし、物流の人手不足に対応するモデルとなることを期待している」と評価した。
視察では、知事から市場物流の課題について質問もあり、ダイフクは「トラックへの積み込み・荷下ろし工程の自動化や、段ボールやパレットの規格が多様であることが課題」と説明。「市場の課題を吸い上げながら、自動化設備によるDXをさらに加速させていきたい」とした。
東京都によると、自動倉庫など設備は卸売会社の東京ベジフルが整備し、都が費用の一部を補助した。淀橋市場は都内の青果市場として大田市場、豊洲市場に次ぐ取扱量を誇り、工事が進む中でも限られた面積を立体活用し市場機能を維持するとともに、今後の人手不足対応として、さらなるDXの導入を検討している。
四恩システム/40cm角で80kg搬送できる小型AGVを発売

