三井不動産は7月23日、ロジスティクス事業の2026年度開発計画に関する記者説明会を開催した。
計画では、物流用途に限定されない複合業務施設「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)」の開発を通じて、入居企業の多様なビジネス展開を支援する方針などを掲げている。
同日都内で2026年度開発計画について説明した三井不動産ロジスティクス本部の涌井耕人ロジスティクス事業部長兼イノベーション推進室長は、物流施設開発を取り巻く環境について、建設資材や人件費の高騰により工事費が直近3~4年で2倍程度に上がった印象があると述べたうえで、今後も年間6~8件の物流施設の新規立ち上げを継続していく方針を示した。
涌井部長はまた、工事費の高騰で物流施設開発のプレイヤーがほぼ半減し、今後もコストが上昇する可能性があるが、この機をチャンスととらえ安定的な供給に努めていく姿勢を重ねて示す一方、冷凍冷蔵対応の物流施設の開発割合などについては明言しなかった。
三井不動産はこれまで、国内外で88件の施設開発(うち竣工済みは64件)を手掛けており、累計投資額は約1兆4000億円、延床面積は約630万m2に達している。
近年では、「街づくり型物流施設」として、主要インフラへのアクセスに優れた大規模な土地に、働きやすい空間と先進的なスペックを備えた物流施設の開発にも力を入れており、2025年12月には大阪府で「SGリアルティ・MFLP大阪加島」、2026年3月には京都府に「MFLP・LOGIFRONT京都八幡I」を着工。11月には「MFLP・LOGIFRONT京都八幡II」の着工を予定している。
また、2025年から物流課題解決に向けたソリューションやサービスを「MFLP&LOGI」として提供しており、グループ会社の「MFロジソリューションズ」が、定量的な可視化・分析による物流戦略の策定から各拠点での機能・運用設計・実現の支援、稼働後の運用上の課題に対するソリューション提供までを包括的に対応しており、これまでに35を超える企業から計120件以上の相談を受けている。
改正物効法への対応については、荷役時間を可視化するサービス「MFLP&LOGI Berth(仮称)」の実証実験を2024年9月~2025年10月末に千葉県の「MFLP船橋」で行った結果、1日当たり約600台の荷役時間の可視化を実現。Hacobuのトラックバース予約システム「MOVO Berth」とシステムを連携することで、車番をもとに予約車両の入退場を自動で登録することが可能となり、ドライバーの荷待ち時間削減にもつなげることができる。
実証実験に協力した入居企業からも高い評価を得ており、物流統括管理者選任義務対象事業者への支援や、可視化した結果を踏まえた庫内運用改善と一体での提案など、今後のサービス展開について検討を行っている。
ドライバーの拘束時間規制強化への対応では、自動運転トラックの開発などを手掛けるT2への出資を7月に実施。高速道路に近接する物流施設での自動運転トラックへの対応や、有人・無人の切り替えオペレーションなど、物流施設での具体的な自動運転トラックの運用のあり方について検討を進めている。
今後の施設開発では、「産業デベロッパー」として、社会全体のイノベーション創出促進に向けて、物流に限らないさまざまな機能を集積させることで入居企業の多様なビジネス展開やイノベーション創出を支援する方針で、2026年6月には神奈川県に旗艦物件となる「MFIP海老名&forest」が竣工した。
海外での物流不動産開発なども積極的に進める計画で、現在はアメリカ、イギリス、タイ、マレーシア、インドなどで物流・データセンター(DC)事業者との関係を強化している。
DCについては、2012年の参入以降、首都圏を中心に開発を進めており、2035年までに累計投資額を6000億円超とする計画。
三井不動産/神奈川県海老名市で4万m2、物流とラボ機能など持つ複合施設が満床竣工へ


