プロロジスは7月29日、東京都千代田区の本社で交流イベント「第3回 inno-base PITCH」を開催した。
プロロジスのインキュベーション施設「inno-base TOKYO-OSHIAGE(イノベース トウキョウ オシアゲ)」および「inno-base TSUKUBA(イノベース ツクバ)」に入居するスタートアップ3社が自社製品やサービスを紹介した。また今回は、会場内にて3社による展示も開催された。
プロロジスはかねてより、物流施設の入居企業から現場改善技術について相談を受けてきており、2018年からコンサルティングチームを発足。これにより、スタートアップやベンチャー企業との連携・支援を通じて、入居企業にソリューション提供を進めてきた。
入居企業への技術提供の一環として、最新技術の実証実験や新製品の評価・検証の場所を必要とする大手企業やスタートアップ企業との協業を促進することで、新たな価値の創造を目指している。
今回のイベントは、「inno-base」に入居する企業が自社製品・サービスを紹介することで、現場改善の技術を求める企業をつなげることを目的としたものだ。
冒頭で登壇したプロロジス中村明夫 マネージングディレクター上席執行役員開発本部長兼開発部統括部長は「企業からスタートアップや技術を発掘する場として『inno-base』というインキュベーション施設を用意してきて、最近は施設利用者とさまざまな形でのコラボレーションも始まっている。今回はプレゼンを通して、新しいパートナーとの出会いであったり新しい物流の可能性に出会う場になればと願っている」とイベントについて語った。
スタートアップ3社のなかで最初に登壇したのは、筑波大学発のAIロボットスタートアップである「Closer Robotics(クローザー)」。
製造業・物流業の深刻な労働力不足に対し、自動化にはロボットを教育する技術が求められる一方で、そのための生産技術が進んでいないという課題認識を示した。
こうした現状に対し、同社は育成が不要ですぐに導入できるロボット「Palletizy(パレタイジー)」を提供。天恵製菓での事例を交えつつ、専門知識がなくとも数分で作業を学習、すぐに導入できる点をアピールした。
現在、物流業向けのロボット開発も進めており、特にパレットの積替え(デパレタイズ)のニーズが高いことから、展開を進めていく方針を示した。
続いて発表をしたのは、韓国発のwillog。物流の過程で発生するリスク軽減のため、運搬中の荷物をモニターするソリューションを開発する企業だ。
荷物やコンテナに設置することで、傾き、温度、位置、衝撃、湿度、照度を管理できるデバイスを開発、販売している。これまで韓国での受賞実績を持ち、2024年問題や物流効率化法などをきっかけに、日本でもこうした技術の需要が上がってきていることから、ソリューションを生かして展開を進める狙いだ。
医薬品やワクチン、電子機器などの単価が高い商品は、輸送中のリスク管理が重要となる。同社が韓国で展開を進めたのも、コロナ禍でワクチンの温度管理で事故が多発し、貨物の可視化が義務化されたことによるものだったという。
同社の治国(スン チグ)CEOは「複数のデータを同時に計測できる点が弊社デバイスの強み。データの収集分析が本分なので、今後はリスクデータを統計化することで、データを活用する方向でも展開していきたい」と理念を示した。
東大発のスタートアップであるコーピーは、物流向け配車DXプラットフォームを開発。
「配車担当の仕事は、配車表を作ることではない」として、配車システムの自動化がなかなか進まない現状について、日常的なトラブルによる配車予定変更が多発していること、その判断のためにベテランによる経験と勘が求められている実状を訴えた。
同社の開発する配車DXプラットフォームでは、マニュアル化されていない「システム外の判断ルール」に対応するため、基本データをシステムで作成しつつ、最終的に人の手直しを入れる構造にすることで、人間による判断の補助を行う形式をとっている。
企業ごとに判断基準が異なる点にも触れ、暗黙知をデータとして蓄積・可視化し、単なる配車パッケージを提供するのではなく、熟練配車マンの経験や判断をシステムに反映。属人的になりがちな配車ノウハウを、企業固有の資産として継承・活用できる仕組みを提供していくと語った。
今回より、同会場内で発表以外のパネル展示も開催。
物流ロボットに導入するAIを開発する「Nihon ai」、AMRを展開する「Doup Robotics」、第2回に登壇した「日本ヴァリティー」が展示に参加、来場者と交流を行った。
プロロジス/交流イベント「第3回 inno-base Pitch」7月29日開催




