NX総合研究所は8月18日、3か月ごとに実施している「企業物流短期動向調査(NX 総研短観)」に附帯する形で、物流の2024年問題に関する追加調査結果を公表した。
「2026年6月現在、2024年問題の影響があるか」との質問には、「影響がある」が 56.3%、「影響はない」40.4%となっている。「影響がある」の割合は一貫して低下傾向にある。
また、「影響がある」の割合を業種別でみると、「木材・家具(79.2%)」、「食料品・飲料(78.3%)」が比較的高く、それぞれ8割弱程度となっていた。
上記の質問で「影響がある」と答えた企業のうち「足元(2026年6月現在)において、どのような影響があると感じているか」については、「トラック輸送力の確保のしやすさ」は、「やや厳しい」が 59.4%と最も多く、次いで「どちらでもない」が25.2%、「ほとんど問題ない」が9.0%となっている。「非常に厳しい」と「やや厳しい」を合計した「トラック輸送力の確保が厳しい傾向」は64.4%であり、昨年12月に大きく上昇して以降は、3月以降で低下傾向にある。
なお、「非常に厳しい」と「やや厳しい」を合計した「トラック輸送力の確保が厳しい傾向」は、「輸送用機械(77.4%)」や「食料品・飲料(74.5%)」が比較的高くなっている。
「トラック運賃状況」については、「やや高くなった(3~5%未満)」が43.1%と最も多く、次いで「高くなった(5~10%未満)」が40.6%、「非常に高くなった(10%以上)」が8.7%となっている。
「高くなった」と「非常に高くなった」を合計した「トラック運賃の上昇傾向」は49.3%となり、2025年12月以来、初めて50%を下回った。
なお、運賃が5%以上高まった事業所を「トラック運賃が大幅に上昇した事業所」として、その割合を業種別に見ると、「その他の製造業(68.8%)」や「繊維・衣服(66.7%)」が比較的高い傾向にあった。
「2024年問題に向けた取り組み」では、「すでに取り組んでいる」が52.4%と最も多く、次いで「取り組みを検討している」が19.0%となっている。「すでに取り組んでいる」割合は、緩やかな上昇傾向となっている。
「輸送スケジュールやリードタイムの緩和」は 59.2%がすでに取り組んでおり、「バラ積みを廃し、発着一貫のパレット利用を推進(38.8%)」、「ドライバーによる荷役を廃し、自社社員による荷役へ変更(36.5%)」、「バース予約システム導入などドライバーの負担軽減(32.2%)」がそれぞれ3割超であり、「モーダルシフトの推進(29.0%)」が約3割となっていた。
一方、「共同配送など他社との連携(23.5%)」など、自社だけでの完結が難しい取り組みに関しては、「まったくしていない」割合が依然として高く、この傾向は前回調査から変化が見られない。
「特定荷主」および「特定連鎖化事業者」に該当する企業のうち、CLOに選任する人材を問う質問では、「物流部門(本部・部)の長(本部長・部長)」が 25.2%と最も多く、次いで「物流管掌執行役員」が21.7%、「会社法上の取締役」が 20.3%となっている。
また、「当面は選任の予定なし」が 7.7%となっていた。
CLOの選任や運用について、現在懸念している点については、「特になし(または設置義務の対象外である)」が 33.6%と最多で、次いで「義務化への対応が形式的な事務作業の増加に留まっている」が 18.3%、「選任しても既存の営業・製造部門の力が強く、実効性のある調整ができない」が 17.6%となっている。
総括として、2024 年問題の影響は徐々に落ち着きを取り戻している様子もうかがえる中、依然としてトラック運賃は高い水準で推移している。日本銀行「企業向けサービス価格指数」によると、陸上貨物輸送は徐々に指数が高まっている。また、海上貨物輸送は2021年から急上昇して以降は、ほぼ一貫して上昇、2026年5月には162.8にまで上昇した。6月は再び低下したものの、中東・イラン情勢の収束・沈静化の見通しが不透明な中で、指数は高い水準で推移していくと予想される。
2026年3月調査分からCLOに関するアンケート項目を新設。この結果を見ると、特定荷主あるいは特定連鎖化事業者に該当する割合は2割程度であり、その多くが重量品を取り扱う製造業だった(ただし、本アンケート調査は事業所単位で実施しており、自社が特定荷主や特定連鎖化事業者に該当しているかを把握できていない可能性も考えられる)。CLOに対しては、荷待ち時間の削減やパレット化などの商慣習の見直しや、物流負担を考慮した生産計画へのシフトなどが期待されている。その一方、社内調整の困難さや制度の形骸化などを懸念しているようである。
現在に至るまで物流に関する大きな問題が起きていないものの、決してこれは、2024年問題が終了したことを意味していない。むしろ、「2024年を起点とした物流の問題」であり、慢性的な人手不足や上昇するサービス価格などに対して、今後も継続的に注視していく必要があろう、と分析している。
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