フィジカルインターネットセンター(JPIC)は9月3日、東京都内で「2026年度 第1回CLO協議会」を開催した。荷主や物流事業者、倉庫事業者、物流テック企業などから約100人が参加し、物流課題の解決に向け、業種・業界の垣根を越えて議論した。
経済産業省によると、物流効率化法に基づく一定規模以上の特定荷主・連鎖化事業者の届出は、7月9日時点で3299社となっており、各所管省庁で順次指定が進められている。こうした中、今回の協議会では、選定された荷主企業が抱える実際の物流課題をテーマに、解決策を探るラウンドテーブルを実施した。
開会にあたり、JPICの森隆行理事長が「法律への対応として物流統括管理者(CLO)を設置することはゴールではなく、ここからがスタートだと考えている。では実際にCLOは何をすればいいのか。ラウンドテーブルでは成功事例だけでなく、何ができないのか、なぜできないのかを一緒になって考え、課題解決に取り組んでいただきたい」と挨拶。
また、JPICが目指すフィジカルインターネット構想にも触れ、「壮大なようで本質はシンプル。1社ですべてを抱え込まず、企業や業界の壁を超えて社会全体で効率的な物流をつくること。CLOが自社の物流を改善することと方向性は同じ。今日の議論が企業間連携や共同物流、具体的な実装への一歩となることを期待したい」と語った。
続いて、経済産業省 商務・サービスグループ 流通政策課 物流企画室の佐藤猛行課長が登壇。
佐藤課長は、「物流効率化へ様々な法改正を踏まえ、経済産業省では荷主企業の商慣行の見直しやデジタル化の促進に取り組んできた」とし、特に物流効率化法の施行については、関係省庁と連携しながら周知に努めた結果、「のべ3200社を超える荷主企業から特定荷主の届出があった」と説明した。
そのうえで、選任された物流統括管理者(CLO)に対し、「経営視点での物流改革を主導し法的事項に対応するとともに、調達・生産・販売など社内横断で連携を促し、また自社のみならずサプライチェーン全体を最適化する指令塔となってほしい」と語った。
フィジカルインターネットの実現に向けても、「各社が物流を経営の中心に据え、戦略的に取り組むことが重要」とし、「今日のラウンドテーブルを通じてCLOが大きく踏み出すきっかけとなれば」と期待を寄せた。
ラウンドテーブルでは、参加した荷主企業を対象に事前アンケートを実施。そこで挙がった物流課題をもとにグループを編成し、荷主、物流事業者、倉庫事業者など各社の経営幹部がテーブルを囲んで解決策を議論した。
議論では、各社が抱える課題や現場での取り組みを共有するとともに、企業単独では解決が難しいテーマについて、業界を越えた連携の可能性などを検討。最後に各グループが議論の内容を発表した。
今回の協議会は、物流統括管理者(CLO)が自社の物流改善にとどまらず、荷主・物流事業者などとテーブルを囲み、サプライチェーン全体の効率化を考える第一歩となった。今後、こうした対話を継続していくことで、物流・サプライチェーン課題の解決に向けた具体的な取り組みの輪が広がることが期待される。
JPICでは次回、2028年1月21日に、第2回CLO協議会の開催を予定している。
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