帝国データバンク(TDB)は9月3日、全国2万2060社を対象に2026年8月の国内景気動向を調査・集計し、発表した。
それによると、2026年8月の景気DIは前月比1.0ポイント増の44.6となり、4か月連続で改善した。
国内景気は、売り上げの持ち直しやAI・半導体関連の需要拡大を軸に製造から小売まで幅広く持ち直した。
季節需要が個人消費を下支えし、AI関連需要が機械や電気機械、情報サービスなどに波及した。他方、各地の豪雨など自然災害による生産・物流、観光への影響に対する懸念が景況感を下押しし、仕入単価の高止まりや人手不足も重荷となった。
今後は、積極財政や令和8年熊本地震からの復旧・復興、最低賃金の引き上げが企業活動と家計の実質購買力を下支えし、AI関連需要も設備投資を後押しすると見られる。一方で、中東情勢にともなう原油高は物価・物流費を押し上げ、長期金利の上昇も設備・住宅投資の重荷となると想定された。
「製造」「運輸・倉庫」など8業界で改善したが、「農・林・水産」など2業界が悪化した。
製造業の生産・受注の増加や公共工事、設備関連需要、帰省・観光などの季節需要が幅広い業種に波及。他方で、原材料費や人件費の上昇、節約志向などは多くの業種で引き続き負荷となっている。特に、「農・林・水産」は米価の下落や飼料・燃料・資材価格の高止まりなどが響いたと見られている。
「運輸・倉庫」では43.8となり前月比1.9ポイント増、4か月連続の改善。トラック輸送において、製造業・卸売業の荷動きが下支えした。加えて、安定した取扱量から倉庫関連も堅調との声も聞かれた。
他方で、住宅関連や米穀類の荷動きの弱さ、長期休暇による稼働日数の減少などは下押し要因だった。
業界からは「荷主が値上げに応じてくれるという話をよく聞くようになった」(一般貨物自動車運送)という環境改善の効果を語る声や、「中東情勢が悪化した3月~5月に比べると燃料の供給不足も落ち着いてきたため、事業展開は好転したといえる」(一般貨物自動車運送)など中東情勢の落ち着きに言及するコメントが見られた。
一方、「原材料が値上がりし、価格転嫁ができない部分があり利益が減少した」(普通倉庫)という環境の変化に関する声や、「中東情勢の混乱が継続している。為替含め先行き不透明感があり、急に景気が回復するとは思えない」(一般貨物自動車運送)など、中東情勢の混乱が続くなか、先行きの不透明感を懸念する意見も見られた。
TDB景気動向調査/運輸・倉庫DI改善、海運復調も燃料高への懸念続く

