日本郵船は10月2日、創業141周年記念式典を東京都内の本店で開催し、曽我貴也社長がグループ社員に向けてあいさつした。
曽我社長は、2023年度を初年度とする現中計が最終年度を迎える中、資本政策では拡大した自己資本を適正水準に近づけ、追加的な株主還元と成長投資にキャッシュフローを振り向けてきた結果、「ほぼ計画通りに進んでいる」とした。
事業面では、エネルギー関連として、ENEOSオーシャンの事業・アセットの約8割を承継する形でNYK Energy Oceanを設立したほか、ドライバルク関連ではNYKバルクシップパートナーズの設立、SAGA Welcoの完全子会社化やNSユナイテッド海運へのTOB、物流関連では郵船ロジスティクスによる欧州ヘルスケア専業物流会社Moviantoの買収を進めるなど、M&Aや事業統合を通じて各事業の競争力強化を進めてきた。
新中計については、現中計策定時の仮説を検証し、想定通りに進んでいない部分を見直した上で、新たな仮説を設定する方針だ。
曽我社長は「バランスシートの適正化を大きな柱の一つとしていた現中計に対し、ほぼ適正化を果たしたところからスタートする新中計は、資本政策の考え方も当然変わってくる」とし、これまで数字で示しにくかった成長投資のリターンや、世界各地の社員の成長への思いも新中計に反映する考えを示した。
さらに、「日本郵船グループの競争力の源泉である技術力に一段と焦点を当て、差別化につなげていく」と方針を語った。
同社は現中計で、AI活用を含むDX、洋上風力やアンモニア燃料船などの環境関連事業、自律運航船の開発・実証、ロケットの洋上打ち上げ・回収プラットフォームや洋上データセンター構想など、新規事業・技術開発にも取り組んできた。こうした技術を基に、人手不足など日本が抱える社会課題についても、日本郵政グループとして挑戦を続ける。
最後に横浜市への移転について説明。現在の丸の内の二代目郵船ビルを2027年に取り壊し、三代目となる郵船ビルの建設を開始する予定で、2027年春から新しい横濱ビルディングへの移転を開始する。
曽我社長は、通勤時間の増加や保育所などへの送迎負担を認識しているとして、労働組合とともに複数の負担軽減策を検討・実行すると説明。「時代の大なうねりや事業環境の変化は続くが、これまで通り明るく、大胆に、そしてしなやかに、誰一人取り残すことなく、皆でこの時代を乗り越えていこう」と締めくくった。
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