商船三井は1月20日、商船三井技術研究所が、本船乗組員に、より安全、短時間、簡単かつ高精度に全鉄分を分析する船上簡易全鉄分分析キット「Fe-asy Checker 26」を開発・商品化したと発表した。
<船上簡易全鉄分分析キット「Fe-asy Checker 26」>
「Fe-asy Checker 26」では、ディーゼル主機関のシリンダ油ドレンに含まれる全鉄分を分析する。分光計には特異波長のフィルターを使用し、併せて2種類の試薬をキット独自の配合で混合した試料を用いることで、比色法により全鉄分を高精度に分析することができ、結果は数値で表示(PPM表示)される。
安全運航には主機関を良好な状態で保つことが不可欠。その重要な要素の一つである最適シリンダ注油の実現には、ディーゼル主機関運転中のシリンダ内の状態を適切に監視することが必要。近年では、特にディーゼル主機関のシリンダ内設計圧力が上昇されたことに起因して、シリンダ内の低温硫酸腐食の発生が多数報告されており、従来の磁粉鉄分だけでなく鉄イオン分も含めた全鉄分の分析ニーズが高まっている。キットの使用により、乗組員の手で高精度かつ速やかに分析することで、異常の早期発見につながるとしている。
商船三井では、安全運航を徹底するため「MOL安全標準仕様」として独自の安全基準を定めており、「Fe-asy Checker 26」を同仕様の一つに定め、保有・運航船ディーゼル主機関全船に導入する。
■「Fe-asy Checker 26」概要
商品名:Fe-asy Checker 26
開発者:商船三井 技術研究所
販売元:商船三井テクノトレード
販売代理店:富士貿易
キット構成:分光計、試薬(2液)他
特長:安全、短時間、簡単かつ高精度に全鉄分の分析が可能