飲料メーカー約140社が加盟するPパレ共同使用会は3月9日、京セラコミュニケーションシステムとパレット大手・三甲が共同開発した物流パレット管理サービス「サントラッカー」の試験導入に効果が見られたとして、2026年度から取り組みを拡大すると発表した。
P(プラスチック)パレとは、ビール大手が使用してきた900mm×1100mmサイズの飲料用パレット。加盟社の共同使用とすることで、自社パレットを自社で回収したり、荷受け側がメーカー別にパレットを仕分け・保管しておいたりする必要のない仕組みをつくっている。
年間約4200万枚のパレットを使用するが、一部は出荷したきり戻ってこない、加盟社でない所で無断使用される、などの課題があった。
<サントラッカー専用端末(縦75mm×幅33mm×高さ20mm)>

「サントラッカー」は、三甲のノウハウと京セラコミュニケーションシステムが持つ通信インフラを組み合わせたIoTサービスで、小型の専用端末をパレットに取り付けることで、工場や物流センターだけでなく全国の卸・小売拠点まで、パレットの位置や経路が把握できる。
全国人口カバー率95%のSigfox通信を利用し、定期的に位置情報を自動送信するため、パソコンの管理画面からいつでも「滞在」「滞留(動きがない)」「移動中」など、パレットが「見える化」される。
これをPパレ共同使用会では昨年5月、首都圏で一部試験的に投入、1年近く運用してきた。
<左から京セラコミュニケーションシステム 宮下純一 ワイヤレスソリューション1部長、Pパレ共同使用会 飯泉泰一郎 常務理事>

Pパレ共同使用会の飯泉泰一郎 常務理事によると、「パレットの回収率は約99%。高い率に見えるが、約4200万枚の1%となると欠損は大きく、不正利用や流出を防いで正しい循環を促す取り組みが必要だった。サントラッカーによって出荷したパレットがどういう経路でどこへ行ったのか見えるようになり、実際に取り戻せた物もあり、効果は大きい」。
今後は首都圏に加え、不正利用が判明したエリアに集中的に投入するなど、活用を拡大していきたいとし、「パレットの経路を把握できるシステムがあることを広く知ってもらうとともに、そもそも不正利用する気にならなくさせる効果にも期待したい」という。
<左からキリングループロジスティクス 今成歓太氏、アサヒロジ 青木茂生氏、サッポログループ物流 宮垣裕文氏、サントリーロジスティクス 大山重和氏>

またシステム導入の手ごたえについて、キリングループロジスティクスの今成歓太 物流管理部物流管理担当は「これまで最初の届け先の状況は把握できても、その後は不透明だった。1年近く運用してみて、パレットの位置情報やルートがつかめるようになったことで、流出が起きるのはどういう場合か、など具体的に見えてきた。どう分析するか引き続き考えていきたい」などと話している。
なお、端末の取り付けはパレットを新規購入する際に行う。約4200万枚全数に取り付けなくても、トラックの台数や出荷日を分けて分散投入するといった方法で動向はつかめるという。
