商船三井は12月25日、神戸市中央区海岸通に所有する「神戸商船三井ビルディング」が、第19回兵庫県「人間サイズのまちづくり賞」（まちなみ建築部門）の知事賞を受賞したと発表した。
＜神戸商船三井ビル外観＞
＜補強骨組み部分＞
神戸商船三井ビルは、商船三井の前身である「大阪商船」の神戸支店として、日本を代表する建築家渡辺節により設計された、アメリカンルネサンス様式の石積みの建造物。旧居留地にあって、1922年4月の竣工以来、広く市民に親しまれてきた。
戦災、震災を乗り越え、2012年、「建物の外観・内観を損なうことなく」「施行中も安心して使い続けられること」をコンセプトに耐震工事を実施。鉄骨造の補強外付け耐震フレームを外部から見えにくい場所に設置することにより、竣工当時の美しい景観を保ったまま強い地震に耐えられる強度を確保している。
今回、魅力ある神戸の街並み保存と耐震化を両立し、今もオフィスビルとして安心・快適に使っていただける「生きた建物」として、次世代に歴史的建築物を継承していく姿勢が評価された。
同ビルは間もなく竣工から100年を迎える。商船三井はこの歴史ある建造物を末永く守っていくとしている。
なお、この賞は、兵庫県が県民の参画と協働による“人間サイズのまちづくり”を推進するため、1999年度に創設。
安全・安心のまちづくり、環境と共生するまちづくり、魅力と活力あるまちづくり、自立と連携のまちづくりに寄与する優れた街並みや建築物および優れた功績のあった団体などを対象としている。
