東大発AIベンチャーのTRUST SMITHは、同社の開発したAGV(自動搬送ロボット)群制御システムで、ランダム割当時比35%の経路長削減に成功した。
条件次第で最大50%程度の経路削減に貢献する可能性があるとしている。
<群制御システムのシミュレーション(グレーがAGV、ブルーが受け取り場所、ピンクが受け渡し場所)>
今回開発した群制御最適化アルゴリズムは、自律走行によって受け取り場所から受け渡し場所まで荷物の運搬を行う複数台のリフト式AGV同士の衝突を安全に回避しながら、全てのAGVの移動経路長合計が最小になるようなタスクの割当と経路生成を行うことができる。
同アルゴリズムでは、通常時は探索ベースの経路計画を行い、AGV同士の接近時には強化学習AI(強化学習で獲得した衝突回避方策)を局所的に用いることで、動的なAGV同士の衝突防止を実現。
また、あらゆる出発点から終着点までの最短経路のデータを圧縮保存しデータベース化することで、計算量を削減し高速処理を実現。このデータベースを用いることで、移動中の人間に対する配送や、AGVの稼働中に追加された新たな運搬の指令にも対応することができる。
同社は、同技術を長期的な完全自動倉庫の実現に向けた重要な鍵となる取組みとして位置付けており、今後は、同システムを開発中のピッキングシステムと組み合わせ、物流倉庫内の省人化やスペース効率の向上に寄与していく方針。