JALグループの日航財団・研究開発センターは航空貨物輸送に使用されるポリエチレンフィルムの回収再生システムの開発を行い、日本航空は本年6月より、このシステムによって生成されたポリエチレンフィルムの本格使用を開始することを決定した。
このシステムは航空貨物輸送の際に貨物を梱包するために使用されたポリエチレンフィルムを航空会社から回収し、再度ポリエチレンフィルムや航空機客室用ゴミ袋の素材として再生、最終的には航空会社がこれを安価で購入・再利用するもので、航空会社にとってポリエチレンフィルムの処理費用の大幅な削減が可能となるとともに、地球環境保護を目的とする「循環型社会」の構築にも寄与する。
日航財団は空港という特定の場所にポリエチレンという同一素材が集中することに着目し、リサイクルで最もネックとなる分別作業をほとんど行わないことや、再生処理に海外メーカーを活用すること、輸送のための海上コンテナへの積載効率を工夫することで再生処理費用の低減化を図り、リサイクルシステムとして有効な仕組みを作った。
また、ニチメンを幹事会社とする企業グループは日本航空と協力して約1年間の試験運用を実施し、再生ポリエチレンフィルムの性能について確認を行ってきた。
日本航空は成田空港にて使用されているポリエチレンフィルムのうち、約25%をこのリサイクルフィルムに置き換える。
日本航空成田貨物支店では現在、業務受託社分を含み、年間約1000トンの廃棄ポリエチレンフィルムが発生している。
これまでそのほとんどは貨物輸送に1回使用された後、処理業者によって他のプラスチック製品に再生処理されていたが、このうち約260トンをこのリサイクルシステムにて活用する。
今回開発された、ポリエチレンフィルムを航空会社にて再利用するというシステムは航空業界では国内初めてのもので、ISO14001認証を取得している日本航空成田貨物支店にて、他社に先駆けて地球に優しいリサイクルシステムを積極的に採用する。
今後、ニチメンを幹事会社とする企業グループにより、この再生システムの運用が行われ、再生ポリエチレンフィルムの仕様をさらに工夫することにより、汎用性の高いものとしていくとともに、当面成田空港における運用を順次国内各空港に拡大していく。
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日航財団/航空貨物用ポリフィルムのリサイクルシステム開発
2003年04月10日/未分類
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