LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

東京都/大手企業の海外進出の影響と都内中小製造業の経営実態に関する調査報告

2003年06月08日/未分類

東京都は、東南アジアや中国への大手企業を中心に生産拠点の海外移転や海外調達が進み、都内中小製造業に対する仕事量の減少や単価の引き下げが顕著になっており、「機械・金属系」及び「ファッション系」業種について、大規模企業(従業者数50人以上)の海外展開の状況、中小規模企業(従業者数49人以下)のその影響や経営実態等を調査した。
・大規模企業(従業者数50人以上)で進む海外進出と海外調達
大規模企業では、海外事業所が「ある」企業は27.6%。特に従業者数500人以上の大手企業では73.8%が海外事業所を保有。
今後3年間に海外「展開する」企業は3.8%、「検討中」は12.5%であり、海外進出はさらに進むと予想される。
海外からの部品・半製品の仕入では、現在「増加している」は16.5%、これから「増加させる」企業は23.6%であり、海外仕入は今後さらに増大すると予想される。
・中小規模企業(従業者数49人以下)では海外進出や海外調達は少ない
中小規模企業が「海外に生産拠点を保有している」のは3.4%、「海外企業に生産委託している」のは5.8%と大規模企業に比べ少ない。
取引先の海外展開により受注量が減少した企業は27%
取引先の海外展開による直接的影響は、「受注量が減少」が26.9%、「受注単価が引き下げられた」が13.5%など、マイナスの影響が4割を超える。
・中小規模企業の業績は不振
3期前(前々々期)からの売上高が「3%以上減少した」企業は67.3%、「3%以上増加した」企業は13.5%である。
売上減少の原因としては、1)取引先の海外進出(特に中国進出)、2)全般的な不景気、デフレの影響、3)取引先からの仕事量の減少と単価の引き下げ、4)IT不況の影響、等の意見が多い。
中小規模企業は、産業空洞化が進み、製造業は停滞すると認識
「産業空洞化が進んでいる」とする企業は65.4%であり、「製造業は一段と停滞する」と考える企業が62.8%を占める。
・行政に期待する振興課題は「金融」「ネットワーク」と「技術」関連
行政に期待するのは、「融資等金融支援」(38%)、「国内生産連携支援」(30%)、「国内工場への設備投資支援」(28%)、「加工ノウハウの著作権保護」(20%)、「技術支援」(19%)などが上位を占める。
・連携の促進、事業転換、海外企業の誘致等が課題
大手企業の海外進出や東アジア企業の台頭に対して、都内産業の高度化を図っていくためには、「既存中小製造業の連携促進等による活性化支援」、「事業転換の促進」、「海外企業の誘致」等が課題である。
 
問い合わせ先
東京都産業労働局産業政策部調査研究課
 電話 03-5320-4639
調査の概要
(1)調査の目的
日本企業の海外進出や海外調達が増大しており、こうした影響を受けていると想定される機械・金属系及びファッション系業種の都内中小製造業の経営実態や海外展開の影響等について調査し、東京都として都内中小製造業の振興施策立案の方向性を探ることを目的とする。
(2)調査の方法
ア調査対象業種
「機械・金属系」業種及び「ファッション系」業種
機械・金属系:金属製品、一般機械、電気機械、輸送用機械、精密機械
ファッション系:繊維製品、衣服・その他、なめし革・同製品、貴金属、装身具
イ調査の種類
○アンケート調査(大規模企業調査と中小規模企業調査の2調査を実施)
抽出の方法平成11年事業所・企業統計調査名簿より全数及び無作為抽出
大規模企業調査 従業者数 50人以上 923(全数)
中小規模企業調査 従業者数 49人以下 2 000(抽出率 約7%)
○ヒアリング調査 30企業
ウ調査の実施時期
平成14年10月~平成14年12月

関連記事

未分類に関する最新ニュース

最新ニュース