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ジェトロ/ASEAN6ヵ国とインド進出日系企業の営業利益で調査

2009年01月05日/調査・統計

ジェトロは、2008年9月25日~10月31日にかけ、ASEAN6ヵ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)とインドに進出している日系企業4,245社を対象に、2008年と2009年の営業利益見通しについてアンケート調査(回答企業数1,473社、回答率34.7%)をしたところ、多くの国で景況感の悪化を観測した。

製造業全般において、2008年の営業利益見込みを悪化させた理由として回答が多かったのが、「調達コストの増加」(66.8%)、「燃料コスト・光熱費(電気・ガスなど)の上昇」(49.1%)、「不十分な価格転嫁」(36.5%)といった原油など資源価格高騰を背景としたコスト増である。

インドではコスト増を販売価格に十分転嫁することが出来ず、2007年実績と比べた景況感判断(DI値)がマイナス11.7となった。在インド日系製造企業の景況感判断が前年実績と比較してマイナスになるのは、97年に当該質問を始めて以来はじめて。

インドネシアはコスト増を販売価格に転嫁し、「価格上昇/値上げによる売上増加」を実現した進出企業が多かった結果、DI値は大幅なプラス40.0となった。

日系企業が集積する主要産業別にDI値をみると、インド・自動車産業(-61.4)、タイ・自動車産業(-37.2)、マレーシア・電気電子産業(-28.2)のいずれも大幅に悪化した。

非製造業も、2007年実績と比べたDI値は、すべての対象国で悪化した。日系企業が「悪化」すると考える理由は、「進出国市場での売上減少」(46.9%)、「人件費の増加」(33.7%)、「燃料コスト・光熱費(電気・ガスなど)の上昇」(32.0%)など。

製造業と同様に、 08年に高進したインフレによるコスト増を背景とした買い控えや人件費増の影響がみてとれる。

2009年の製造業の営業利益見通しを08年の営業利益見込みと比較したDI値でみると、「改善」を予測するのが、シンガポール、ベトナム、インド。「悪化」を予測するのが、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ。

「改善」する理由は、シンガポールとベトナムで最も回答が多かったのは「輸出拡大による売上増加」であり、今回の調査時点(10月)では、足元の米国発同時不況の影響がまだ現地ではまだ深刻でなかった様子がうかがえる。

2009年は、資源価格高騰を要因とするコスト上昇圧力は緩和されるが、世界的な景気後退による需要減少が日系企業の収益を圧迫することが予測される。

DI値は、ディフュージョン・インデックスの略で、「改善」すると回答した企業の割合から、「悪化」すると回答した企業の割合を差し引いた数値。景況感がどの方向に変化しているかを示す指標。

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