三井造船は7月21日、玉野事業所機械工場で建設を進めていたディーゼルエンジンの新組立工場「重機工場D棟」(長さ125m×幅35m、面積4375㎡)が完成し、本格稼働を開始した。
重機工場D棟は、全生産台数の約4割を占めるシリンダーの口径が500mmのディーゼルエンジンの組立・試験運転を行う工場。同型機関はこれまでもタクト生産方式を採用し、5日で1台の組立、試験運転を行なっていたが、新工場では3日に1台行えるようになり、年間80台(約100万馬力)の製造を予定している。運転台は2面あり、運転後は揚重能力が350トンの天井クレーンで解体することなく一体で出荷できる。
また、従来は分散していたエンジンの各ブロックの部分組立ステージを工場内に配置し、組立用部品の集荷の簡素化や各ブロックの工場間移動の軽減を図っている。環境面にも配慮し、運転時に電気使用量を削減できるシステムを導入。
エンジンの冷却水(温水)の熱を熱交換器で回収し、潤滑油の清浄時の加熱や燃料油の温度コントロールに使用することで、従来使用していた電気式ヒーターを廃した。潤滑油や冷却水を供給する電動ポンプのインバータ制御で、運転するエンジンの大きさに合わせ電力を最小限に抑えるなど省エネ化を図っている。