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ロジスティクス・SCM+流通フェア/DCMは「情報共有」決め手

2009年10月17日/セミナー

ロジスティクス・SCM+流通フェアが10月16日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開催され509人が来場した。

今回は物流・流通関連の動向紹介などのセッションが16セッション行われたほか、物流効率化などに貢献する関連機器、ソリューションの展示も併設の展示会場で行われた。

また、特別講演として君嶋和行・ファミリーマート商品本部DCM推進部部長による「ファミリーマートが進めるSCM~SCMを支える情報システムの活用事例~」が行われた。

<講演する君嶋和行DCM推進部部長>
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講演で君嶋氏は、ファミリーマートが構築したDemand Chain Management(DCM)を紹介した。DCMとは、顧客の欲しい商品を取引先と開発、素早く無駄なく効率よく、安全に店舗に届けるためのサプライチェーンに関係する商流・物流・情報流を最適化し、維持管理・向上を図ること。その概念では、「ローコストで高機能な調達物流の再構築」と、「売れる商品作りに向けたマーチャンダイジングの提案」の2つの流れを循環されること、ブルウィップ効果の抑制などがポイントとなっている。また、メーカー、センター、加盟店との情報共有が大きな前提となっている。

<熱心に受講する受講者>
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DCMは2000年DCRPプロジェクトとして発足。2001年には先行メーカー・ベンダーとの情報共有を図り、2005年には路線便の集約などを実施。2007年には輸送ルートの一部変更に着手した。これまでの配送計画・管理システムの取組では、まず配車支援システムを軸にイントラネットでコース検索や納品店着予定、店着実績などを閲覧できるようにした。

ファミリーマートでは全国で1日約5万回の店着があり、このシステムは1日1回情報が更新されるため、異常が発生した場合、その翌日にはどの店舗で発生したかなどがすぐ閲覧できるようになっている。ファミリーマートでは低温便が1日3回、冷凍便と常温便が1日1回配送されるため、この情報は店着時間の管理精度と配送効率の向上などに貢献している。

さらに、新商品を早期から初回の発注予測見込みを立てるため、新商品発注予測情報を活用している例を挙げた。加盟店舗でも棚換えの必要などがあるため、新商品の初回発注は重要視されており、店当たり発注数や先付発注店率の把握も重要だとした。

メーカーと協働する取組で君嶋氏は井村屋との事例を挙げた。井村屋との取組は、ファミリーマート、井村屋、物流を請け負うファミリーコーポレーションの3社が一体で取り組んでいるもので、各商品の販売動向や店舗発注状況を踏まえ、流通在庫量を把握。追加生産を決定するプロセスを再構築し、素早く正確に行う環境を作ることが目標。これには賞味期限ごとの在庫量の把握が重要で、「要点はいかに流通在庫をなくすかということだ」と述べた。

君嶋氏は最後に、ファミリーマートは将来に向けた取組として、速度向上などDCMシステムのバージョンアップ、地産地消などマーケットの変化に対応した新システムの検討、トレーサビリティ強化など安全・安心の更なる確保などに向けて取組んでいると紹介した。

午後の特別講演では、ニチレイロジグループの3PL会社、ロジスティクス・プランナーの梅澤一彦ソリューション開発部部長・執行役員が、食品分野における共同物流の最新事例とともに、物流改革の手法、ツールを利用した最新の物流提案のあり方について、詳細な説明を行った。

<物流改革について講演する梅澤一彦ソリューション開発部部長>
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