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JDA・鈴木社長/i2買収で拡大した顧客へ、最適なソリューション提供

2010年03月08日/SCM・経営

JDAソフトウェア・ジャパンの社長に営業本部長だった鈴木洋史氏が、2月1日付けで就任した。

<一新したロゴの前で鈴木洋史社長>
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親会社であるJDAソフトウェアによるi2テクノロジーズの買収完了と同時に社長に抜擢された鈴木洋史氏。鈴木社長にとってi2テクノロジーズ・ジャパンは以前に6年間在籍した職場であり、ソリューション、顧客、販売手法などに長けた人物だけに、JDAソフトウェア・ジャパンの経営戦略に大きな期待がかかる。

今後の事業展開について伺った。

--i2テクノロジーズ・ジャパンとの統合に向けた対応は

両社とも日本法人の従業員は約40名だったので、合計80名ほどの陣容となった。現在、事務所は別々だが数ヶ月以内には両社を統合できる場所へ移転する予定だ。

この1か月、顧客への対応を最優先して、両社のオペレーションの統合と組織体制の一本化を進めていた。今後、両社の重複するソリューションの統合などを進め、新体制での本格展開を積極的にできるようにする。

--顧客に対しては

統合後の日本国内の顧客数は150社を超え、顧客の業種は従来の小売・流通、卸、食品・飲料、消費財、医薬、化学メーカーに加えて、ハイテク、鉄鋼、素材メーカーへと裾野が拡大し、サプライチェーン全体に広がる顧客市場を有することになった。JDAはi2との統合により、まさに業界屈指のエンド・ツー・エンド・サプライチェーンマネジメント・ソリューションプロバイダーとなった。

また、昨今はサービス産業向けにレベニュー・マネジメントとプライシングのソリューション提供にも力を入れており、日本市場においても引合いが増えている。

今後、顧客に対しては従来JDAが得意としているマーチャンダイジングのソリューションに加え、最新のサプライチェーンマネジメント及びプライシング・ソリューションを提供してゆく。i2の既存ユーザーは、従来、生産部門を中心とした主にサプライサイドのSCM改革を進めてきた。

今後は、サプライヤー、調達部門・物流部門・販売部門との連携に加えて、販社、販売チャネル(大手小売業)も含めたデマンドサイドのSCM改革へと拡張する取組みを支援してゆきたい。企業内だけではなく、企業間の連携も重視した、より精度の高い、最適なマネジメントとプランニングが行えるソリューションを提供してゆく。

顧客への新たなアプローチは、特にグローバル展開を進める企業に、従来の在庫削減、コスト削減に加えて、売上・収益の最大化を実現するための、より先進的で拡張性あるソリューションを提供し、具体的な効果を実現させることだ。企業のボトムライン向上に留まらず、トップラインの向上にも貢献したい。

--具体的には

例えば、価格決定を行う際に、収益性を保持したうえで、販売価格をどのようにコントロールするのか、グローバルな販売網がある場合は、いかに各国の需要と価格反応性を捉えて、最適な価格決定を行うのか、最新のプライシング・ソリューションのテクノロジーにより価格最適化シミュレーションを行い、科学的に意思決定できる仕組みが整う。

SCMによる需要と供給のバランスに加えて、売上・収益を最大化する価格戦略を連携させる次世代型SCMを提案してゆきたい。

<JDAソリューションの全体像(小売業)>

--小売業で見れば

小売業は最終消費者の需要(POS)を的確に捉えているが、POSを将来の需要動向を把握するための分析に十分活用できている企業は未だ少ない。POSに基づいて、消費者の購買意思決定はどのように行われるかを分析し、消費者の視点に立ったカテゴリー分類を行い、消費者が望んでいる最適な品揃えや商品の陳列、フロアの配置等をきめ細かく分析する必要がある。

JDAは、小売業とメーカーがそれぞれのPOSデータ、市場データを持ちあい、最適な品揃え、棚割、フロア計画を協働で行うカテゴリーマネジメント・ソリューションを提供している。

米国のウォルマートや英国のテスコなど、グローバル小売業では既に取引先メーカーとのカテゴリーマネジメントは売上・収益を向上させる上でかかせない戦略として実践している。こうしたカテゴリーマネジメントの取組みを提案し、消費者により支持される売り場作りを支援したい。

また、昨今のプライベートブランドの急速な増加により、POSをベースに需要予測・需要マネジメントを行い、品切れを回避しつつ在庫を最小化する最適な発注計画や生産依頼を行うSCMが小売業にとって益々重要な戦略となっている。

店頭の販売情報・在庫情報から物流センターの在庫情報、委託先メーカーの生産計画に至るサプライチェーンを最適化して、小売業、メーカー双方の在庫リスクを最小化し、EDLC(Every Day Low Cost)を実現して消費者へEDLP(Every Day Low Price)を提供するCPFRの仕組みも今後ますます提案してゆきたい。

また、需要予測・需要マネジメントは、SCM/CPFRだけではなく、プライシング・ソリューションとの連携により、需要喚起のためのプロモーション計画や、売れ残り商品のマークダウン計画にも活用することが可能だ。

<JDAソリューションの全体像(製造業)>

--メーカーで見れば

グローバル展開を進めるメーカーは地球規模で市場と生産拠点が分散しており、サプライチェーンをより効率的かつ効果的にマネジメントする手法が求められている。昨今では、激変する経営環境の下で、中期経営計画や事業計画とSCMをシームレスにリンクさせるプロセスとして、S&OP(セールス・アンド・オペレ―ションズ・プランニング)が注目を浴びている。

S&OPとは、「トップマネジメントと機能部門のミドルマネジメントが参画し、製品・サービスの需要と供給を機能的にバランスさせる戦術レベルの情報共有と意思決定プロセスである(松原恭司朗著「S&OP入門」より)」、具体的には中期経営計画や事業計画の金額ベースの計画とSCMの数量ベースの計画をリンクさせ、戦略とSCM業務を同期させて、需要と供給、そして財務を含む機能部門間の連携を促進し、着実に計画を実行できるプロセスを確立することである。

JDAでは、従来の需要マネジメント、供給マネジメントのソリューションに加えてS&OPをマネジメントする新たなソリューション「JDA S&OM(セールス・アンド・オペレ―ションズ・マネジメント)」を提供しており、既に日本で鉄鋼メーカー大手のJFEスチールや大手PCメーカーで本格稼働している。

SCM改革でリーンな生産オペレーションを実現してきたメーカーが、経済の回復基調に入った今、更なる売上・収益の向上に向けて、戦略とSCM業務をグローバルな環境下で同期させるため、現在、幾つかの大手ハイテクメーカーでも「JDA S&OM」を導入中だ。

そしてS&OPプロセスを確立し、需要マネジメントを更に進化させるため、先に述べたプライシング・ソリューションによって需要創出や需要喚起のための価格最適化を実現する次世代型SCMを展開することが可能となる。こうした最適なマネジメントとプランニングを実現するソリューションを積極的に提供していきたい。

問い合わせ
JDAソフトウェア・ジャパン
マーケティング部 小沼
TEL.03-6418-1100
Sales-japan@jda.com
http://japanese.jda.com/

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