ヤマト運輸は4月28日、宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定を発表した。
新たな労働力の確保や社員の処遇改善、またラストワンマイルネットワークの強化のため、9月末までに宅急便基本運賃と、各配送サービスの規格を改定する。
宅急便基本運賃(税抜き価格)を、サイズに応じて改定する。
60~80サイズは現行の運賃に一律140円を加算、100~120サイズは、現行の運賃に一律160円を加算、140~160サイズは、現行の運賃に一律180円を加算する。
スキー宅急便、ゴルフ宅急便、スーツケース等の規格の改定では、発売当時に比べ、レジャー用品が大型化したため、規格を改定する。
スキー宅急便(オールインワン型)は、現行の140サイズから160サイズに改定。ゴルフ宅急便は、現行の120サイズから140サイズに改定する。スーツケースは実サイズを査定し、現行の上限サイズを120サイズから160サイズに改定する。
クール宅急便、宅急便タイムサービス、超速宅急便、S-PAT9時便の付加料金は据え置く。
割引制度の新設では、荷物の受け取りに際し、集配の効率化に協力してもらえる個人の顧客に対し、新たな割引制度を導入する。
デジタル割引では、店頭端末「ネコピット」で発行したデジタル送り状の利用で荷物1個につき50円を割引する。
直営店持込時のクロネコメンバーズを対象とした直営店持込み割引では、クロネコメンバーズ会員が発送時に直営店にお持込みいただいた発送荷物1個につき、さらに50円を割引(現行の持込割引と合わせ、150円を割引)する。
宅急便センター直送サービス(仮称)を新設する。届け先を自宅ではなく、直営店(宅急便センター)への直送を指定した場合、通常の宅急便運賃より荷物1個につき50円得なサービスを開始する。
今後、これら施策を通じ、2017年度内にデリバリー事業のコスト構造の見直しと、体制の立て直しを図り、将来的な環境の変化にも対応できる事業構造への変革を図る。
その上で、都市部を中心にオープン型宅配ロッカー、コンビニエンスストアへの配送、投函型サービスや営業時間外の配送ニーズなどに特化したネットワークの構築など、新たなラストワンマイルネットワーク・オペレーションの設計を試行することで、将来に向けたデリバリー事業のさらなる成長を目指す。