商船三井は12月21日、Rolls-Royce Marine(ロールス・ロイス社)と、アドバイス型障害物認識システム(Intelligence Awareness System、“IAS”)を共同研究する契約を締結したと発表した。
将来の運航船の安全運航・効率運航のさらなる向上を目指し、自律航行船の実現に向けて積極的に技術開発を行なっており、その要素技術となりうるロールス・ロイス社のIASを実船搭載して研究を行なう。
IASは既存の舶用レーダーなどの航海計器に加えて新たなセンサーを設置した上、取得データを融合・分析することで本船周囲の航行船や障害物などを検知し、操船中の船員に的確かつ即座に操船補助情報を提供するシステムを開発目標としている。
さらに将来的には、航行海域の気象や航路情報などのデータ融合や、AIを導入するなどの試みにより高い精度の障害物探知と、先進の人間工学による乗組員へ情報提供ができるユーザーインターフェースを実現し、現在取り組んでいる自律航行の基礎技術に繋がることも期待している。
この研究は、商船三井グループのフェリーさんふらわあが瀬戸内海で運航するフェリーにIASを試験搭載して実証試験及び将来の開発について研究する。瀬戸内海は日常的に多数の船舶が航行する世界でも有数の混雑海域であり、さまざまな海域データが取得できる。海域データを商船三井とロールス・ロイス社が共同で収集・分析し、将来のシステム実用化調査とその研究を行なう。
商船三井は、研究開発プロジェクト「船舶維新NEXT ~MOL SMART SHIP PROJECT~」を推進し、環境負荷低減、安全運航に寄与する技術の開発および導入に今後も積極的に取り組み、安全、安心な輸送サービスを提供していくとしている。
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