新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業は8月9日、福島県浪江町に再生可能エネルギーを利用した世界最大級となる1万kWの水素製造装置を備えた水素エネルギーシステム「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R))」の建設工事を開始した。
2019年10月までに本システムの建設を完了し、2020年7月までに技術課題の確認・検証を行う実証運用と水素の輸送を開始する。
なお、製造された水素は、燃料電池による発電用途、燃料電池車・燃料電池バスなどのモビリティ用途、工場における燃料などに使用する。
福島水素エネルギー研究フィールドでは、隣接する太陽光発電と系統からの電力を用いて1万kWの水素製造装置により年間最大900トン規模の水素を製造し、貯蔵・供給する。
水素の製造・貯蔵は、水素需要予測システムからの市場における水素需要予測に基づいて行い、水素製造装置の水素製造量を調節することにより、電力系統の需給バランス調整を行う。
この水素の製造・貯蔵と電力系統の需給バランス調整の最適な組み合わせを水素エネルギー運用システムにより実現することが今回の実証運用の最大の課題となる。
実証運用では、運転周期の異なる装置、インプットのタイミング・期間・量が異なる需要(ディマンドリスポンス、水素)に対し、電力系統のディマンドリスポンス対応と水素需給対応を組み合わせた最適な運転制御技術を検証する。
製造した水素は、圧縮水素トレーラーを使って輸送し、需要先へ供給する。
■各社の役割分担
東芝エネルギーシステムズ:プロジェクト全体の取り纏めおよび水素エネルギーシステム全体
東北電力:電力系統側制御システムおよび電力系統関連
岩谷産業:水素需要予測システムおよび水素貯蔵・供給関連