商船三井は11月17日、商船三井と中国遠洋海運集団の合弁会社が保有する砕氷LNG船「VLADIMIR RUSANOV」が、ノルウェー・ホニングスヴォーグで砕氷LNG船では初となるShip to Ship方式(STS)による荷役を実施したと発表した。
<位置関係図>
<STSの様子 写真左が“Pskov”、右が“Vladimir Rusanov”>
<写真左が“Vladimir Rusanov”、 右が“Pskov”>
この船は、2018年3月からヤマルLNGプロジェクトで出荷されるLNGの輸送サービスに従事しており、今航海では、サベッタ港のヤマルLNG出荷基地で積荷役を行い、ホニングスヴォーグまで航行した後、耐氷性能が低いLNG船「Pskov」とのSTSによる揚荷役を実施し、11月24日に無事完了した。
ホニングスヴォーグ湾内は周囲が外洋から遮蔽された海象が穏やかな環境であり、両船は陸上の桟橋を介さず、横並びの状態で互いを直接係留する方式でSTSを行った。
この船は、主にヤマルLNG出荷基地のあるサベッタ港から西欧州のLNG受入基地に輸送しており、2週間以上の航海日数を要していたが、ホニングスヴォーグでSTSでの揚荷役を行うことで、積地と揚地間の往復航海時間を1週間程度短縮することができる。
これにより砕氷能力を持つこの船を効率的に北極海航路のLNG輸送に従事させる事が出来、サベッタ港からのLNG出荷の回転率を上昇させる事ができる。ホニングスヴォーグでSTSの揚荷役を終えた後、次の積荷役のためにサベッタ港に向けて現在航行している。