コマツは、建設機械で使用する補給部品供給体制の再構築と強化の一環として、物流センター管理システムに日立物流ソフトウェアの「ONEsLOGI / WMS(以下:ONEsLOGI )」を導入した。
<小山工場内の補給部品センター内の(左)、センター内の高層ラック(右)>
コマツは、世界中のあらゆる場所で利用されており、国内外に40か所以上の工場、約150か国に代理店を展開し、売上も約80%は海外が占めている。
国内では小山工場と北海道の補給部品センター倉庫、海外ではオーストラリアの補給部品センター倉庫における物流センター管理システムとしてONEsLOGIを利用している。
■補給部品センターの機能
小山工場の補給部品センターは、建屋面積約2.2万m2、取扱部品点数は約10万点、1日の入荷量は約4500オーダアイテム数、出荷量は約1.1万オーダアイテム数の規模。
主に東北・関東圏・中部圏(国内出荷量の約40%を担当)で、当日受付、当日出荷、翌日配送を実現し、海外向けの船便と航空便を対応している。
これまで小山工場では、受発注システムと連携して出荷伝票を出力し、手作業で仕分けをして作業者に配付していたが、ONEsLOGIの稼働に合わせてタブレット端末とバーコードリーダーを導入し、出庫作業の指示はタブレット端末の画面に表示される。
従来はピッキング作業後に、出荷伝票の半券を回収してシステムへと反映していたが、新システムでは部品のバーコードを読み取るとタブレット画面に反映されると同時に、リアルタイムでシステム側にもデータが反映されるようになった。
■導入効果
導入効果として、業務効率の向上、オペレーションの可視化、リードタイムの短縮と適正化を実現した。
タブレット端末などのデバイスを用いた入出庫作業指示により伝票の仕分けなどが不要となり、緊急オーダ品の出庫出荷情報がスムーズに対応できるようになり、バーコードによる作業確認によりミスピックも削減され、オペレーション自体が大幅に効率化された。
これまで、ピックが終了した作業指示書の半券を集めて、システムに反映していたため、リアルタイムでの作業状況を把握することができず、作業の遅れについて事前対応ができなかった。
新システムでは、現場のオペレーション進捗がシステムを通じてリアルタイムで把握できるようになり、作業状況を可視化して客観的に見極め、作業負荷を分散・均一化が実現した
さらに、受注を起点とした管理から納期を起点とした管理ができるようになり、海外向けの出荷に関して、センター内のリードタイムがほぼ半減され、入荷からコンテナ出荷まで平均10日間かかっていたところを、最短で4日間まで短縮できた。
■物流センター管理システムのグローバル展開
今回の小山工場で導入を起点に国内外18か所の供給拠点にシステムの横展開を前提とするモデルケースになった。
拠点ごとに最適化を図るのは非効率なため、スピーディな横展開が可能となるとともに、仕組み自体の改善も工数と時間をかけずに各拠点に反映することが可能となるもの期待している。
仕組みを共通化することで、共通の評価軸を設定できるというメリットもあり、グローバルKPIを設定して、作業パフォーマンスの測定や分析を行いながら、拠点単体だけでなく、全体的な最適化を図っていく仕組みの確立もねらいの一つとなっているという。
物流センター管理システムのONEsLOGI採用について、コマツでは「機能や仕様だけでなく、提案力や実績、サポート体制なども総合的に評価して採用を決めました。数社からの提案を受けた中で、選定メンバーのうち大多数のメンバーが支持したのが日立物流ソフトウェアからの提案だった。」と述べている。
■ONEsLOGIの詳細と導入事例
http://www.hitachi-hbsoft.co.jp/solution/wms/
■問い合わせ
日立物流ソフトウエア
営業本部 営業企画グループ
TEL:03-5634-7296
http://www.hitachi-hbsoft.co.jp