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日本電信電話、トナミ運輸/「イベントトリガ型車両運行管理システム」の共同実験を開始

2001年08月20日/未分類

日本電信電話(株)とトナミ運輸(株)は、8月から、車両運行管理の高度化、効率化、低コスト化を図る新しい車両運行管理システムを用いた共同実験を開始した。
今回の共同実験は、ITSにおける商用車運用効率化の一環として、NTTサービスインテグレーション基盤研究所が試作した「イベントトリガ型車両運行管理システム」をトナミ運輸の実際の運送業務に用いるもの。
このシステムは、車両の指定地への到着、出発、通過といった“イベント”を車載器が自動検出し、それを“トリガ=契機”として、業務の進捗状況を車両から自動送信する機能を最大の特徴としている。
共同実験では、現場運用を通して、その機能・性能の評価、並びに業務改善、輸送効率向上に関する分析・検討を行う。
実験対象として、トナミグループの湘南トナミ運輸(株)(神奈川県海老名市、成瀬光哉社長)の特殊貨物輸送車両と共同配送車両、約10台を利用し、実験期間は2001年8月から2001年9月末までの約60日間を予定している。
【背景】
現在、物流業界においては、運送業務の効率化を主な目的として、移動中の車両の位置や作業状況等の情報を無線通信によってサーバに送り、運行業務の進捗状況を把握する車両運行管理システムの導入が進んでいる。
しかし、それらのシステムの多くは、GPS受信機で特定した車両の現在位置情報をDoPa網等を介してサーバに定期的に送信し、管理側モニターの地図上に表示するものであり、業務の進捗状況を把握するには、運行管理者が運行計画と車両位置を関連づけて推定する必要がある。
また、精度の高い運行管理を行う場合、短い時間間隔で位置情報を送信しなくてはならず、通信コストが高くなるという難点が指摘されていた。さらに、運転手の作業状況を把握するためには、運転手自らが車載器を操作して作業状況に関する情報を送信する手間が掛かり、確実性の面でも十分とは言えなかった。
【技術の概要】
「イベントトリガ型車両運行管理システム」は、GPS受信機内蔵の車載器、iモード携帯電話機、運行計画や地図情報等を管理するサーバ、WWWブラウザ搭載のクライアントPCで構成され、各機器間の通信には移動通信網(iモード網)とインターネットを利用する。
実際の運用時には、GPS受信機内蔵の車載器に運行計画に基づく指定地の位置情報をiモードメールによって予め登録しておくことにより、車両が実際に指定地点に到着、出発、通過した際には車載器が自動検出して、イベント及び位置情報をiモード携帯電話機でサーバへ自動送信する。
運行管理者はパソコンのWWWブラウザを用いてサーバにアクセスし、各車両の運行状態を表形式の画面で確認することができる。
これにより、1)運行計画に沿った確実な運行管理、2)通信費の削減、3)運転手の操作負担の軽減等を図れる。
また、車載器の通信機器にiモード携帯電話機を採用することにより、システム構築の容易性を実現することも目指している。さらに、サーバに保存されたイベントや位置情報の運行履歴情報を用いて、業務改善及び輸送効率向上に関する分析・検討も行い、情報資産の有効な活用にもつなげていく。
【今後の展望】 NTTサービスインテグレーション基盤研究所とトナミ運輸では2001年9月末の実験終了時までに共同で評価結果をまとめ、「イベントトリガ型車両運行管理システム」の利点や課題を明確化し、今後の物流業界における情報通信技術活用の方向性を探る基本技術として発展させていく予定。

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