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NTT-ME/自動車リサイクル部品取引ネットワークを構築

2001年12月16日/未分類

(株)エヌ・ティ・ティ エムイー(以下:NTT-ME)と、自動車リサイクル部品事業者などで構成される日本自動車リサイクル部品販売団体協議会(以下:JAPRA)は、使用済み自動車の部品を再生利用し、環境保護に貢献する自動車リサイクル部品をインターネット上で取引するネットワークシステムの開発で提携し、JAPRAが定める品質管理基準をクリアし、品質保証された自動車リサイクル部品を、迅速かつ安定的な取引・流通を支援するASPサービス「自動車リサイクル部品高度情報流通システム」(以下JAPRAシステム)を、本年12月下旬から試験提供し、平成14年4月を目途に本サービスを提供する。
このサービスの提供に当たっては、平成13年10月5日に設立した(株)ジャプラがシステムの運営管理を行う予定。
NTT-MEは、JAPRAシステムの構築・運用・保守に加え、システム利用者に対し同社のIP電話サービス「WAKWAKコール・ゴーゴー」もあわせて提供し、利用者間の通信に安価な定額制を導入し、インターネットを活用したオープンな市場の形成と、簡易な仕組みによる取引量の拡大を支援すると共に、通信費を大幅削減する。
1. サービス提供の背景と経緯
(1) JAPRAの歩み
自動車リサイクル部品は、使用済み自動車の部品を自動車補修部品として再生利用するもので、省資源化を実現する有効な手段として注目されており、全国5 000社といわれている自動車解体事業者のうち、500社程度が部品流通事業を行っている。
JAPRAは、これらリサイクル部品流通に携わる13の事業者団体が「資源の有効活用と環境保全の社会的要請に応えるとともに、良質なリサイクル部品を望むユーザへの安定・継続的な供給体制と責任体制を構築する」ことを目的に、平成7年に結成された業界団体。
現在、リサイクル部品流通事業者を中心として、賛助会員を含め720社で構成されており、リサイクル部品の主なユーザである自動車整備事業者からの需要に対応するための事業者間取引を行っており、所属団体のうち8団体が、既に団体内クローズド型の部品流通ネットワークを構築している。
(2) リサイクル部品流通の取り組み
現在、これら各団体内の部品流通量は取引全体の4割程度だが、JAPRAでは、これら取り組みの成果を元に、取引の円滑な拡大に向けてはオープン型のネットワークによる、団体の枠を超えた取引形態の構築が必要との認識に立ち、平成10年には通商産業省(現在の経済産業省)の受託事業として、これら各団体のネットワークを相互に利用しあう「リサイクル部品のオープンな電子商取引システム」プロトタイプの実験検証を行った。
また、この実験の成果をもとに平成12年には、「4団体の在庫情報共有化」事業を開始し、JAPRA加盟13団体すべての商品在庫情報の共有化と、相互取引が可能な流通システムの構築へ向けた検討を重ねて来た。
   
(3) ITの活用により環境保全に貢献するNTT-ME
NTT-MEでは、資源循環型社会の実現に向けた取り組みの一環として、平成12年より、自動車販売事業者や自動車整備事業者を対象に、使用済み自動車を適正処理するための業務支援ASPサービスと、自動車リサイクル部品を取引するための流通プラットホームで構成される自動車リサイクル総合ネットサービス「elv-goo」の開発研究を進めてきた。
同サービスの仕様検討にあたっては、JAPRAの取り組みと合致する点が多く、今後具体的なサービス提供に当たっての協力体制構築が可能であることから、JAPRAと共同での自動車リサイクル部品取引ネットワークの開発検討を重ねてきた。
(4) オープンな商品取引市場の醸成に向けて
この検討結果を踏まえ両社は、「業界標準となる統合的な部品情報データベース構築」、「インターネットを活用したオープンな受発注システム」および「業界標準規定(JAPRAフォーマット)に基づく品質表示」を基本とした、業界横断的な新たな自動車リサイクル部品取引ネットワーク「JAPRAシステム」を構築した。
 
2. JAPRAシステムの提供について
JAPRAシステムは、JAPRAの設立趣旨に則り、自動車リサイクル部品の取引において、「品質保証された在庫商品を迅速かつ安定的に供給する体制を確立する」ことを目的に構築された、高度な在庫情報流通のためのASPサービスで、これまで、各事業者グループ単位で利用してきた部品流通ネットワークを統合し、ブロードバンドネットワークとインターネットを活用した次世代型のオープンな情報流通ネットワーク。
(1) JAPRAシステムの概要
<主な特長>
(a) セキュリティの確保
JAPRAシステムは、最高レベルのセキュリティを施したNTT-MEデータセンタを拠点に、JAPRAシステム利用者向けに提供される自動車リサイクル部品取引のためのASPサービス。バックボーンには、NTT-MEの次世代高速IPネットワークサービス「XePhion」(ゼフィオン)を採用し、ギガビットクラスの高速ネットワーク上で、より多くの情報をより早く、最小のコストで利用できる自動車リサイクルパーツ流通の業界標準を目指しており、利用者間電子決済も視野に入れている。  
(b) 経済産業省の策定基準に準拠
システムは、経済産業省の「中古部品の品質基準等の業界標準に関する調査検討委員会」が策定中の「品質基準保証制度に関する業界標準の基本コンセプト」に基づいたJAPRAの品質基準を採用しており、従来の単なる在庫情報の共有化にとどまらず、品質の保証された200万点に及ぶ部品について、リアルタイムに各システム利用者間で受発注や販売管理等を可能にしている。
(c) 品質維持のための標準規定
これらは、本システムの開発にあわせ、取引に必要なデータをJAPRA標準フォーマットとして定義し、団体間の部品情報や品質管理基準の標準化を図ることでシステム利用者間における流通量の飛躍的な拡大を目指す。
<主な機能>
(a) 部品登録機能
車両データベース(自動車型式指定申請書)を利用し、正確に該当部品の車両確定を可能とする。
(b) 部品検索機能
  車検証の情報から即時に車両を確定し、共通部品を検索することを可能。
(c) 受発注機能
  既存のグループ内取引のみならず、各グループ間の受発注も可能。
(d) 販売管理機能
  在庫登録データを売上管理、顧客管理、売れ筋商品情報等に直接利用することを可能。
(e) コンバージョン機能
  部品在庫に関する型式、品番などの基本情報を標準化した「JAPRAフォーマット」を使用し、各グループの在庫情報の共有化を可能。
(2) IP電話サービス「WAKWAKコール・ゴーゴー」の提供
NTT-MEでは、JAPRAシステムの構築と合わせ、ADSLなどのブロードバンド回線を利用したIP電話サービス「WAKWAKコール・ゴーゴー」をシステム利用者向けに提供し、通信コストを大幅に削減する。
<サービス概要>
顧客と音声IPプラットフォームの接続に、NTT-MEのインターネット接続サービス「WAKWAK」と、NTT東日本・NTT西日本のブロードバンド・アクセスサービス「フレッツ・ADSL」等を使用して、高品質で格安の音声通話と高速インターネット通信を提供。契約者間相互内線通話や「XePhion音声IPプラットフォーム」経由の外線通話が可能。
   
(3) ジャプラの設立
ジャプラは、拡大する自動車リサイクルパーツ市場への対応と利用促進を目的に自動車リサイクル部品販売を行うグループ8社により設立。
(a) 基本理念
ジャプラは、自動車リサイクル部品事業者憲章を基本とし、自動車リサイクルパーツの生産・販売に関わる事業者の育成と支援を行うとともに、より多くのユーザに良質廉価なリサイクルパーツを安定・継続的に供給することにより、国民生活の向上をはじめとして、広く社会に貢献する。
(b) 主な事業内容
・日本自動車リサイクル部品販売団体協議会加盟会員及び当社が認めた事業者が利用する自動車リサイクル部品(中古部品・再生部品)の在庫データを活用した電子商取引システム(高度在庫情報流通システム)の運営及び管理。
・日本自動車リサイクル部品販売団体協議会及び国内外の自動車リサイクル部品関連業界に関わる情報の収集、情報処理サービス及び情報提供サービス。
・日本自動車リサイクル部品販売団体協議会から委託を受け、会議録、事務用文書、証書、資料等の作成、管理及び発送配送に係る業務。
・日本自動車リサイクル部品販売団体協議会からの委託を受け、同協議会加盟会員企業に属する社員の自動車リサイクル及び自動車リサイクル部品販売に係る研修業務並びに技術開発に関する業務。
・前記項目に付帯する一切の業務
(c) 参加団体・会社
・部友会(代表:北口 賢二、所在地:熊本県熊本市)
・株式会社システム・オートパーツ(代表:山本 冨元、所在地:石川県松任市)
・株式会社エス・エス・ジー(代表:工藤 洋行、所在地:北海道札幌市)
・自動車補修部品研究会(代表:清水 信夫、所在地:埼玉県熊谷市)
・日本パーツ協会(代表:早川 一ニ、所在地:埼玉県岩槻市)
・シーライオンズクラブ(代表:尼岡 良夫、所在地:福岡県北九州市)
・ジャパン・エコ・ネットグループ(代表:吉岡 英雄、所在地:京都府京都市)
・テクルス・ネットワーク(代表:石橋 靖彦、所在地:埼玉県行田市)
   
3. 今後の展開
(1) スケジュール
JAPRAでは、平成14年3月まで行うJAPRAシステムの試験提供を通じ、価格や仕様について検討を重ね、同年4月から商用サービス化の予定。
   
(2) 登録商品数
登録商品数は当面200万点程度を想定し、平成14年度には300万点の登録を見込む。
   
(3) 会員数
商用サービス開始時10団体300社、3年後の平成17年度1 000社を見込んでいる。利用対象は当面JAPRA会員としますが、運用状況などを勘案しつつ自動車整備事業者への開放も検討する。
   
(4) 取引高
自動車部品リサイクル市場は年間取引高約1 000億円、うち市場取引は500~600億と言われており、3年後は2倍の2 000億円になると予想されています。JAPRAでは、本システムの提供により、このうち7割にあたる1 500億円の取引が行われると見込んでいる。
   
(5) その他
JAPRAでは、NTT-MEの各種ITソリューションを活用し、自動車部品リサイクル業界全体のIT化に貢献する。
   

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