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三井物産/流通業界向けSCMデータサービス会社設立

2001年12月13日/未分類

三井物産(株)は、日本初の流通業界向けデータサービス会社「データエクスプレス(株)」を設立した。
米国流通業界において、小売業者~製造業者までのサプライチェーン構成企業が様々なデータを共有して、消費者の購買動向により対応した商品供給を行う取組み(CPFRTM)が、次々と成功を収めている。 
このような動向を背景に、三井物産は、日本の流通業界における同様のサービス導入に着手し、情報サービス事業を核として広く経済的な価格でのサービス提供を実現した。
データエクスプレスは、小売業者、卸売業者及び製造業者の販売(POS)データを初めとする様々なデータを共有する基盤を提供し、各企業の売上拡大及びコスト削減を可能にする。
各種サービスの効果は、次の通り。
1.小売業各社: 売上の拡大、需要予測に基づく発注勧告による店頭作業の軽減・欠品率の大幅低減・在庫の削減が同時に実現できる。
期待効果=発注勧告精度 90%、店頭在庫削減 30%、店頭欠品率削減 30%
2.卸売業者・3PL社: より効率的な在庫管理、物流管理が可能。
3.製造業各社: より正確な販売予測データの入手により、効率的な生産計画の立案及びより市場に適合した商品開発が可能となる。
新会社では、小売業・卸売業・製造業各社の希望に沿ったメニューを経済的な価格で、提供することが可能であると共に、ASPサービス事業とすることで1社あたりのシステム投資を抑え、短期間での導入が可能となる。
対象顧客は、総合スーパー(GMS)・ドラッグチェーン、食品スーパー・ホームセンターなどの小売業者、卸売業者、消費財製造業者であり、各業種から多数の参加を得て、日本の製造・流通・小売業の生産性向上に寄与すると共に、消費者利益の向上に努めて行きたいと考えている。
尚、新会社では3年後までに上記業態を中心に10チェーン前後(売上高約10億円)の獲得を目指す。
現在、世界的な大手小売業、消費財製造業を中心とした電子商取引(BtoB)市場(GNX、WWRE、TRANSORA等)が構築され、世界的な流通革命が進行しようとしている。
その主要な電子取引(BtoB)市場においては、その核となるサービスとしてCPFR環境の提供が挙げられている。 データエクスプレス社は、CPFR環境整備の中核サービスの提供が可能であり、電子商取引(BtoB)市場の主要機能を補完する。
データエクスプレス社は、流通業界で豊富な経験と実績を持つCSKネットワークシステムズ(株)及び日本を含むアジア全域で米国AspenTech社のサプライチェーンマネージメント(SCM)テクノロジーを提供するアスカテクノロジー社をパートナーとして起用する。
資本構成は、三井物産100%出資の子会社としてスタートするが、情報インフラ基盤事業との観点から、広くパートナーを募る予定。
また、世界的に同様の取組みを推進しているP&G社は、日本の流通業界においてもベストプラクティスの開発に積極的に取り組んでおり、グローバルスタンダードに合致したオープンな情報基盤を構築する本事業に賛同している。
CPFRTM (Collaborative Planning Forecasting and Replenishment)
流通業界の取引企業(流通業及びメーカー)が協働して計画を立て、需要予測を作成し、製品補充を行うことで、サプライチェーン全体の最適化を実現しようとする取組みで、米国ではP&Gを初めとする大手企業が本取組みの実践により、高い成果を挙げている。
背景
三井物産は、1995年に設立した日本インフォメーション・リソーシズ(株)をスタートとし、流通業の店頭販売情報を基にしたデータサービス事業を展開してきた。その後米国で様々な企業がVICSモデルCPFRの考え方を採用して大きな成果を上げる中、今後日本でも同様の動きが加速することを予想し、IT技術の進歩を取り入れた形で、製・配・販三層の情報共有化と業務プロセスの統合を可能した日本型CPFRを実現する情報基盤を提供するサービス事業を立ち上げることとなった。
VICS(Voluntary Interindustry Commerce Standards Association)
米国流通業界における企業間サプライチェーンの効率化を推進する業界団体で、CPFRモデルを開発したことで知られる。
サービス内容
データエクスプレス社は、製(メーカー)/配(卸)/販(小売)の様々なデータを一元的に収集、活用することにより、以下のサービスを経済的な価格で提供する。 
・販売実績データ/プロモーションデータ等に基づき作成した需要予測データの提供
・上記需要予測データ他に基づく店舗及び物流センターに対する発注数量推奨データ
の提供
・サプライチェーンデータ共有基盤提供
・参加各企業の在庫管理データ共有基盤提供
上記サービスの活用により、小売店舗における在庫の削減、欠品率の低減、発注業務の効率化を実現すると同時に、物流センターにおける在庫の削減、欠品率の低減を実現する。
また、上記サービスに加え、最適な販促計画立案を支援する各種情報、最適物流の構築を支援する為の各種情報等を流通業界各社に提供して行く。
サービスの提供形態及び特徴
特定の顧客や特定の商品を対象としたサービスを目指すものではなく、広く流通業界において、情報基盤(インフラ)を提供することを目指している。その意味では、流通業界の直接の当事者では無いデータエクスプレス社が、第三者の立場であるからこそ可能となるサービスを提供するもの。
欧米を中心として、流通業界をターゲットとしたメガ・マーケットプレースが立ち上がり、全てのマーケットプレースがそのロード・マップとしてCPFRを実現するコラボレーション環境の提供を掲げているが、データエクスプレス社は、その前段階である予測・計画立案を支援するサービスをその中核のサービスとして提供するので、上記マーケットプレースの機能を補完し、共存することが可能である。
本サービスの導入で、製・配・販のサプライチェーン全体での意思決定とコラボレーション(協働)による消費者ニーズへの的確な対応が可能となる。
また、流通三層各社の役割・機能分担の明確化により重複業務が顕在化し、その業務排除により、限られた経営資源を競争分野に投入することを可能にする。
特に顧客主義を目指す製・配・販の皆様には必要不可欠なツールであり、導入の結果として、消費者を含めた流通全体でのwin-win関係を構築できる。
三井物産の参入意義
昨今のBtoB eCommerceの流れは商社・卸をも含めた中間流通機能の見直しを迫るものであり、斯かる環境下、弊社においても、ITを活用した新たな商社機能の提供を目指している。
日本でも多数のBtoB eCommerceサイトが立ちあがる中、成功を収めていると言えるサイトは非常に限定的。 理由は種々考えられるが、導入効果が見えにくいということであると考えている。
その点、本事業では流通業界の発注業務全体をsupply chainを通じてsupportすることにより、確実に効果を出せる仕組みを提供するものであり、三井物産のeCommerce関連プロジェクトの中でも非常に意味のある取組みであると考えている。
流通業界においては、消費者の満足度を如何に高めるかがサプライチェーン全体としての共通課題であり、本事業は、三井物産(含むグループ企業)が、消費者(情報)起点によるビジネスの再構築を更に加速させる取組みとも言える。
又、本事業は、変革の時代において三井物産が流通業界に対する具体的な取組みであり、今後リテールサポート機能を更に向上して行く上で、一つの重要な核となる事業。
この事業は、先端IT技術を駆使したNew Businessの創造と事業領域の拡大且つ、三井物産の伝統的コアビジネスとITの有機的融合による流通業全体の効率化と高付加価値化を実現していく、三井物産eDrive戦略と合致した案件と考えている。
事業パートナー及び支援企業
システム面を中心とした事業パートナーとして、流通業界で豊富な経験と実績を持つCSKネットワークシステムズ(株)及び日本を含むアジア全域で米国AspenTech社のサプライチェーンマネージメント(SCM)テクノロジーを提供するアスカテクノロジー社を起用。 また、両社からは、システム構築のみならず、サービスメニューの開発及び顧客へのコンサルティング・サービスの提供についても協力を受ける。
また、世界的にCPFRを推進しているP&G社は、日本の流通業界においてもベストプラクティスの開発に積極的に取り組んでおり、グローバルスタンダードに合致したオープンなCPFRの情報基盤を構築する本事業に賛同している。データエクスプレス社は、三井物産の100%子会社として設立するが、今後事業の拡大に伴い、事業パートナーの募集を行う予定。
対象顧客
流通業界全体に広くサービスの提供が可能でありますが、当面はGMS、ドラッグチェーン、食品スーパー、ホームセンター等を対象顧客とし、対象商品として、日用雑貨品、医薬品、加工食品での展開からスタートする。

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