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日本自動認識システム協会/自動認識市場規模調査報告(平成14年)

2003年06月08日/未分類

(社)日本自動認識システム協会は、自動認識市場規模調査報告(平成14年1月-平成14年12月 出荷数量・出荷金額)を発表した。
■自動認識の市場規模推移
調査要項および回答状況
本調査は、当協会の会員企業を主体に平成14年(2002年 1月~12月)の出荷数量及び出荷金額等に関するアンケート調査を行い、その数値を集計したものである。調査対象分野は、バーコード/2次元シンボルのリーダ、バーコードプリンタ、バーコードサプライ、ソフトウェア、RFID、バイオメトリクスである。 2003年1月末の当協会会員企業117社、元会員企業6社、合計123社の協力を得た。回答率88%であり、有効回答数は108社であった。
■概況
バーコードリーダ、バーコードプリンタ、バーコードサプライ、ソフトウェア、RFID、バイオメトリクスの出荷金額合計2002年実績は、2001年比20億円(1.2%)増の1 740億円であった。
2000年後半から続く半導体不況、製造業の海外への工場進出による設備投資減、流通業界の再編成などが挙げられ、各分野においてその影響が出ると予想されていたが、自動車関連、医療関連、食品関連、セキュリティ等の各分野の成長があり、出荷金額は20億円増の結果であった。
各項目の2001年対比の出荷金額実績で、バーコードリーダは6%増の414億円、バーコードプリンタは6%増の442億円、バーコードサプライは6%減の677億円、ソフトウェアは14%減の42億円、RFIDは15%増の156億円、バイオメトリクスは140%増の7.6億円であった。
2002年出荷金額実績で、バーコードサプライ、ソフトウェアがマイナス成長を見せたが、これは共に、大手企業の退会によるもので、それを除くとほぼ横ばいの数字である。バーコードリーダが、医療分野、食品関連でのトレーサビリティ(履歴管理)システム、携帯電話による個人認証等の利用が増え、特に2次元シンボルの2001年出荷金額実績29億円に対し、2002年出荷金額実績では、48億円と19億円(65%増)の成長を見せた。また、医療・病院関係で利用が増えたバーコードプリンタでも2001年出荷実績418億円に対し、2002年出荷金額実績442億円と24億円(6%増)の成長があった。出荷金額を大きく左右するものではないが、バイオメトリクスが、2001年比(140%)増となっており、セキュリティ分野での活用が増えている。
2003年の出荷金額の合計では、2002年対比11%増の1 927億円と予測している。特に、バーコードリーダは、2次元シンボルのリーダが、2002年対比80%増の87億円と予測していることから、バーコードリーダとしては、2002年対比11%増の460億円と予測している。RFIDでは、2001年対比72%増の269億円と予測しており、図書館、レンタルリース分野、アパレル分野、液晶・半導体分野での利用が期待されている。
その他、2002年対比は、バーコードプリンタ5%増の465億円、バーコードサプライ0.4%増の679億円、ソフトウェア4%増の43億円、バイオメトリクス13%増の8.6億円とプラス成長を予測している。
■バーコードリーダ
バーコード(20002年実績)
・2002年のバーコードリーダは、36社の回答で、出荷台数は2001年対比101万台と変わらず、出荷金額は2001年対比1.2%増の365億円の成長となった。
・固定(定置)型のバーコードリーダは、2001年対比出荷台数1万台減の5万台、2002年出荷金額20億円となった。特に、レーザ式が2001年対比出荷台数1万台減、出荷金額50%減の14億円となった。出荷台数の減少と製品単価の低下によりマイナス成長であった。
・ハンドヘルド型のバーコードリーダは、2001年対比出荷台数12万台減の43万台、出荷金額5%増の89億円であった。2001年に特需があったペン式の出荷台数は11万台減少した。
・ハンディターミナルは、無線機能ありとなしで集計し、2001年対比出荷台数7万台増、出荷金額6%増の232億円であった。特に無線機能ありのペン式が、2001年0回答に対し、出荷台数1万台、出荷金額2億円が増加した。出荷台数では、無線機能なしペン式が2万台減少しているが、無線機能なしのレーザ式が、6万台増加している。全体では、7万台出荷台数が増加したが、出荷金額に伸びが見られない理由としては、製品単価が大幅に落ちている事が伺える。
・2002年のバーコードリーダの全体総評は、流通業界が低迷したことによりPOSが伸びなかったことが考えられる。また、固定型が伸びなかった原因として、FA分野の設備投資の抑制があった結果である。ハンディターミナルが伸びたのは、物流業界が業務の効率化をさらに進めようとした結果であると思われる。特に無線化は今後とも伸びていくと考えられる。
■2次元シンボル(2002年実績)
・2次元シンボルは、20社の回答で、64%増の48億円であった。医療分野、食品関連のトレーサビリティ(履歴管理)の重要性、携帯電話での個人認証において、2次元シンボルが活用されてきているので大きく影響しているといえる。
・固定(定置)型の2次元シンボルは、2001年対比出荷台数5千台増、出荷金額6億円増の2002年出荷金額17億円であった。
・ハンディターミナルは。2001年対比出荷台数3千台増の6千台、出荷金額179%増の12億円であった。
・固定(定置)型、ハンディターミナルともカメラ式の出荷台数・出荷金額が大きく伸びた。
・カメラ式のモジュールが、2001年対比出荷金額1万台増の1万7千台、出荷金額77%増3億円であった。
■バーコード/2次元シンボル(2003年予測)
・バーコードのリーダでは、固定(定置)型、ハンドヘルド型、ハンディターミナル、モジュール、組込装置の2002年対比で、出荷台数は、4万台増、出荷金額2%増の372億円と予測している。
・2次元シンボルのリーダでは、食品業界、自動車部品・電子部品・運輸・携帯電話での個人認証など各業界においての利用が更に進み、2002年対比 出荷台数5万5千台増、出荷金額80%増の87億円と予測している。特に固定(定置)型、ハンディターミナル、カメラ式モジュールの伸びが見られる。
■バーコードプリンタ
(2002年実績)
・2002年のバーコードプリンタは、41社の回答で、2001年対比 本体出荷台数40%増の15万5千台、本体出荷金額4%増420億円で、付属品は2001年対比66%増の22億円であり、総合計は、2001年対比6%増の442億円であった。
・単色プリンタにおいて、感熱専用は、2001年対比 出荷台数3万台増の9万台、出荷金額16%増の159億円であり、印字幅3インチ以下、3インチ超~4インチ以下が出荷台数、出荷金額ともに成長をみせた。大きく伸びた要因には、流通分野向けの需要が挙げられる。感熱・熱転写兼用は、2001年対比 出荷台数は40%増の5万7千台、出荷金額2%減の115億円であった。3インチ超~4インチ以下で、2001年対比 出荷台数66%増の3万9千台、出荷金額31%増の77億円と伸びを見せた。
大きく伸びた要因には、医療(病院)向けの需要が挙げられる。製品単価の低下が大きな要因であり、単色全体での2001年対比は、出荷台数4万5千台増、出荷金額6%増の276億円であった。
カラープリンタは、2001年対比同等の出荷台数600台、出荷金額3億円であった。
・オートラベラは、2001年対比 出荷台数3%減の6千台、出荷金額はほぼ同等の140億円であった。
・今回より、モバイルプリンタの出荷台数、出荷金額等の集計を追加・開始した。単色の3インチ以下、3インチ超~4インチ以下のプリンタ出荷台数合計14万台 出荷金額合計251億円のうち、モバイルプリンタの出荷台数は、3万台、出荷金額は15億円であり、物流関係での需要があった。
・バーコードプリンタ輸出金額は、2001年38億円に対して、2002年実績は、7%増の41億円となった。
(2003年出荷予測)
・2003年は、本体の出荷台数予測が、16万台、出荷金額予測が5%増の441億円と予測している。
・単色プリンタの感熱用出荷台数予測は、3%増の9万4千台、出荷金額予測で4%増の165億円と予測している。感熱・熱転写兼用出荷台数予測は、3%増の5万9千台、出荷金額予測で、3%増の119億円と予測している。単色全体では、出荷台数4%増の15万4千台、出荷金額4%増の286億円と予測している。
・オートラベラは、出荷台数11%増の7千台、出荷金額7%増の149億円と予測している。
・モバイルプリンタも2002年同等の出荷台数3万台、出荷金額16億円と予測している。
・付属品に関しても2002年実績とほぼ同等の24億円と予測している。
■バーコードサプライ
(2002年実績・2003年予測)
全般
・サプライ用品は、自動認識市場で売上金額の40%を占める製品で、この製品での売上金額如何で市場の大きさが左右される。2002年出荷金額では、32社の回答で、2001年対比6%減の677億円となった。これは、大手企業の退会によるもので、これを除くとほぼ横ばいの数字である。
・2003年出荷金額では、2002年とほぼ横ばいの679億円の需要が予測されている。但し、プリンタの統計調査データでも示したように、プリンタ需要増に伴いサプライ用品の需要増が期待できる。
用紙
・バーコードプリンタラベルは、458億円となりサーマル、熱転写用紙ともに前年比若干減となった。2003年の出荷金額予測でも本年並みの465億円となっているが、来年プリンタの出荷台数予測を考慮すると予測以上の売上が期待できる。
サーマルリボン
・単色及びカラーリボンの出荷合計は115億円で、前年比5%増となった、
・2003年の予測では単色、カラー共に5%程度の伸長を見て、120億円と予測している。
■ラベル製品
・バーコード印字済みのラベル製品は、プリンタの普及に伴い年々印刷済プリンタラベル製品から即時印字によるラベル製品に移行しているため減少傾向にあるが、出荷金額を見ると2002年では、99億円となり2001年対比では97%であった。
その他(トナー、インク、ファブリックリボン、フィルムマスタ)
その他バーコードサプライにおいては、2001年出荷実績42億円に対し、本年は4億円となった。前年は、ある特需からの伸びを示したが特需の終了から一昨年レベルの数字に戻り来年以降もこの水準で推移していく事が予測されている。
・ソフトウエア
(2002年実績・2003年予測)
・2002年よりソフトウエアの調査は、集計方法を変更した。バーコード/2次元シンボル、RFID、バイオメトリクスと3分野に分け、各出荷金額、パッケージソフト、受託開発/カスタマイズの集計を行った。
・42社の回答で、2001年対比14%減の42億円であった。これは、大手企業の退会によるもので、それを除くと2001年対比 出荷金額では10%の成長を見せている。内訳では、受託開発/カスタマイズが21%増の24億円であった。
・バーコード/2次元シンボルは、34社の回答で、2002年の出荷金額は38億円で、ソフトウェアの大半の数字を占めており、パッケージソフト12億7千万円、受託開発/カスタマイズが24億9千万円となっている。パッケージソフトの出荷本数は、1万2千本、平均単価は12万円であった。
・RFIDは、8社の回答で、出荷金額は1億8千万円であった。内訳としては、パッケージソフト1億円、受託開発/カスタマイズが8千万円であった。
・バイオメトリクスは、4社の回答で、2002年出荷実績は1億7千万円となった。
・2003年予測では、出荷金額43億円としている。バーコード/2次元シンボルが大半を占め、出荷金額36億円、RFIDが3億6千万円、バイオメトリクスが3億5千万円の内訳になっている。
■RFID
調査分野の変更
・2001年までの調査対象としていた電磁結合・電磁誘導・マイクロ波の3分野を、ISOの分類に準拠して使用周波数帯域の長波・中波(550KHz以下)、短波(13.56MHz)、マイクロ波(2.45GHz)の3分類に変更した。
(2002年実績)
・26社からの回答で、RFID関連の全出荷金額は、2001年対比の15%増の156億円であった。
・方式別に見てみると、長波・中波102億円、短波46億円、マイクロ波8億円となった。
・形状別の出荷金額で見てみると、カード形状の合計は70億円で、長波、中波38億円、短波29億円、マイクロ波3億円となった。その他の形状の合計は86億円で、長波・中波64億円、短波17億円、マイクロ波5億円であった。
・RFタグの出荷数量は、カード形状で長波・中波7万枚、短波114万枚、マイクロ波3万枚となっており、その他形状では、長波・中波376万枚、短波353万枚、マイクロ波41万枚、その他となっており、出荷数・出荷金額とも順調に推移している。
・以上の結果から、長波・中波のその他の形状のRFタグが大きな比率を占めており、FA分野等の従来の適用分野で、堅調な応用が進んでいることがわかる。また、非接触ICカードと技術分野が重なる短波についても、昨年の電磁誘導の出荷量と比較して、急拡大していることが見てとれる。
(2003年予測)
・2003年は、2002年実績の約72%増269億円の出荷金額を予測している。これは、電波法の改正により大きなアンテナを使える環境ができたことや、技術的諸問題が解決されつつあること、ユーザーがRFIDを理解してきたこと等から関連会社のRFID市場に対する大きな期待と自信を表している。
図書館、ビデオレンタル等のレンタルリース分野、パレット、アパレル分野、液晶・半導体分野、食品分野等、今年度更なる普及が期待できる分野である。
■バイオメトリクス
(2002年実績・2003年予測)
・8社からの回答で、2001年対比 出荷台数で80%増の4万3千台、出荷金額140%増の7億6千万円であった。2001年の4社回答のうち、2002年では1社が退会し、前年度回答のほか3社の2001年対比を見ても大幅に成長している。
・2001年同様、指紋認証が出荷台数、出荷実績とも大半を占め、昨年比の倍額以上の7億2千万円となった。虹彩認証・顔認証についても出荷実績が若干ではあるが伸びてきている。2003年出荷金額予測では、虹彩認証が2億円と大幅な伸びを予測している。
一昨年9月11日の米国同時多発テロの影響を受け、入出国管理及び国民IDカードへのバイオメトリクス技術導入によるセキュリティ強化が世界的に進んできている。また、住宅関係の出入管理、ネット取引での認証等も立ち上がりつつあるので、バイオメトリクス技術を用いた製品は確実に導入期から成長期への転換期を迎えている。

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