ガートナージャパン(株)のITデマンド調査室は、業務やプライベートで企業内エンドユーザーが、パソコン、携帯電話などのデバイスでどのように電子メールを利用しているかの実態調査を実施した。
ビジネスマンがパソコンで受信する電子メールは2002年の一人当たり一日平均61.5通に対し、2003年は65.8通と増加し、携帯電話でも5.7通から7.0通に増加傾向であることがわかった。
「社内から来たメールか、社外から来たメールか」の内訳をみると、「社内から」が2002年は35.1通、2003年は35.2通とほぼ同数であったのに対し、「社外から」は2002年が26.4通、2003年は30.6通と、平均で4.2通増えており、電子メールが顧客や取引先など外部、あるいはメールマガジンなど情報収集も含めた、業務コミュニケーションにおける中心的な位置付けになっていることを示した。
パソコンでやり取りする電子メール数が増える一方で、電子メールの取り扱い(返信文書作成、添付ファイル関連の処理等含む)に社内で費やす時間は逆に1日平均で3.5時間(2002年)から3.1時間(2003年)に減少していた。
これは電子メールの処理に対して各個人が慣れてきたこと、あるいは処理能力が高まってきたことを示すものであり、電子メールをめぐる業務効率が向上していることを表しているとガートナーではみている。
この変化はモバイル環境にも顕著に表れました。社外で電子メールを見る時間は2002年の1.0時間から0.7時間に減少している。特に職種別でみると営業職が2002年は1一日平均1.6時間を社外でのPCの電子メール処理に使っていたものが、2003年は0.8時間と半減した。
これは、全体的に電子メールに関するリテラシが向上してきたことに加え、一部携帯電話とPCのコラボレーションが進んだこと、たとえば携帯でメールの表題をチェックし重要なもの、緊急のものだけパソコンを立ち上げて処理するなど、メールに関わるユーザーのテクニックも向上してきたものとガートナーでは分析している。
携帯電話やPHSなどによる電子メールは受信数でも処理時間の双方とも増加傾向にあった。1日平均の受信数は2002年の1日平均5.7通から、2003年の7.0通に増え、メール処理に費やす時間は2002年の0.5時間から2003年は1.1時間に増加していた。
これは、AI辞書機能などを用いた文字入力技術が改善されたこと、大きく見易い画面の採用など、携帯電話のメール機能に関わるインターフェイスが充実してきたことなどで、これまでよりも長いメールが書きやすくなったためとみられる。
このことは、従来長文メールには適さないとされてきた携帯電話のメール利用に変化の兆しが出てきたものとみられる。
しかし、業務に関連するメール数でみるとまだ前年比横ばいであり、携帯メールは、運輸業・配送業など特定業種を除けば、まだまだ個人用途が中心とみられ、ビジネス分野に本格普及するにはもう少し時間がかかりそうだ。
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ガートナージャパン/電子メールを利用の実態調査
2003年09月14日/未分類
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