（株）情報通信総合研究所と（財）日本電信電話ユーザ協会は共同で、インターネット・ユーザを対象に無線タグに関するアンケート調査を実施し、こその結果をまとめた。
無線タグは、食品の流通履歴や航空手荷物の追跡などの分野でトライアルが始まるなど、昨年から注目を集めている技術で、調査は、無線タグの普及に向けた課題と将来の可能性を探るために実施したもの
調査の結果、ユーザは無線タグの効果として、サービスの利便性向上だけでなく、安心・安全な生活環境の充実に役立つことを期待しており、無線タグが持つ情報を使って食の安全性を確認したり、家電機器など製品購入後のアフターサービスやリサイクルなどにも役立てたいと考えていることがわかった。
調査研究結果の主なポイント
・4分の3が無線タグに期待、安心・安全な生活環境の実現を最も重視
無線タグの具体的な用途に対するユーザの認識や理解はまだ十分とはいえないが、既存事例のうち現在認知率が低いものも含めて、ユーザの関心は高い。特に「食品の生産・流通履歴管理（トレーサビリティ）」「家電リサイクル」「航空手荷物の追跡」「盗難防止用の自動車キー」「幼児等の遠隔監視」など、日常的な生活環境の安心・安全に関わる分野において、無線タグの効果が期待されている。
・プライバシーを重視しつつ、期待に見合った具体的なメリットの提示を希望
無線タグで管理する製品情報の扱いが製品購入者のプライバシーにふれる恐れがあると問題視されている。本アンケートでもユーザは無線タグに関わる個人情報の扱いについて不安を感じており、技術的・法制度的な対応策を希望している。一方、無線タグに期待感が低い人ほど「用途や使い方がわからない」ことに対する不満が高く、具体的な実態が十分理解できないことが不安感につながっている。それに対して今後の対応策として「消費者にわかりやすいメリットの提示」を7割が希望しており、ユーザが期待する安心・安全などのメリットをもたらす有効なサービス開発が期待されている。
・購入後も幅広いシーンで見られるユーザサイドにおける無線タグの情報活用ニーズ
食品や医薬品などその場で消費する製品については、購入時や使用時に製品の安全性を確認できる手段として無線タグの活用が望まれている。また、家電機器やブランド品など繰り返し使う製品については、購入後の長期にわたるトラブル等に安心して対応できるよう、購入時の履歴をいつでも確認できる仕組みが求められている。さらに、リサイクルやネットオークションなど流通手段が多様化する中で、ユーザ同士の取引を安全に行うための手段としても無線タグの役割が期待されている。
製品提供にとどまらずユーザも参加した情報活用サイクルの発想で広がる無線タグの可能性
食品トレーサビリティや家電リサイクルなど、製品のライフサイクルにそったさまざまな実証実験が行われているが、それらに対するユーザの関心は高く、提供者の手を離れたところでもユーザ独自のニーズが見られる。それは提供者の取り組みにユーザが参加した幅広い情報活用サイクルとしてとらえ直すことができる。今後、無線タグの有効活用の方向性を検討するにあたっては、そのような利用者の立場も考慮に入れた幅広い視野が必要とされる。
本調査結果をまとめた詳細版レポートを下記の通り販売する。
レポート名：無線タグの利用に関するユーザニーズ調査レポート
～無線タグ普及に向けての可能性と展望～
アンケート調査項目無線タグを使った既存事例（実用・実験）に関する認知度・利用意向・普及希望
現在のサービス利用における問題意識・不満
無線タグを活用した遠隔監視サービスの利用意向
無線タグ等を活用した情報家電向けサービスの利用意向
無線タグに格納した情報の活用意向（製品種別に情報内容ならびに利用状況）
無線タグに格納した情報を活用するにあたっての許容範囲（サービス内容別）
無線タグに対する全体的な期待度
無線タグに対する分野別の期待度
無線タグ普及に向けての不安・問題点
無線タグ普及に向けて望まれる対応策
レポート内容無線タグをめぐる現状の整理
調査結果のまとめ
無線タグの普及に向けての今後の展望
体裁：A4判84ページ簡易製本
金額：10 867円
（本体価格10 000円、送料350円、消費税517円）
問合せ先
株式会社情報通信総合研究所
情報流通ビジネス研究グループ
宮下啓子
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