新日本製鐵(株)は6月10日(木)午前11時20分頃、名古屋製鐵所と中部電力とを繋ぐ電力系統において周波数が異常に急低下したことをきっかけに、両社間の電力接続が遮断(解列)され、これに続いて同製鐵所構内の発電設備も停止し、ほぼ全ての生産設備が緊急停止した。
同社の調査では遮断する直前から、通常の想定を超える周波数低下が発生していたことが判明している。同時刻、中部電力管内では刈谷市を中心とした広域停電が発生しており、中部電力によれば、事故当時、同社東名古屋変電所(愛知県豊明市)において、送電系統を制御するための機器の定期点検を実施中であった。
現在、中部電力からのご協力も頂きながら、原因について調査中で、設備の緊急停止の際、コークス炉にて作業中の協力会社社員1名が火傷を負い、現在入院加療中で、経過は良好である。
設備稼働状況は、16日までにはほぼ再稼働し、際しては慎重に点検・確認を行うとともに、必要に応じ追加補修を実施する。
生産影響は、製品ベースで10万トン程度の減産が避けられない見通しで、非常にタイトな需給状況のもと、早期の回復に向けて最大限の努力を傾注している。