旭化成(株)の子会社である旭化成建材(株)は、「グランデ」事業の撤収と既製コンクリートパイルの白老工場(北海道白老郡白老町)、富士建材工場(静岡県富士市)、岩国工場(山口県岩国市)での生産中止を決定した。
なお、既製コンクリートパイル事業については、他社からOEM供給を受け、販売を継続する。
1985年の販売開始以来、「グランデ」は同社ALC事業の戦略商品の一つとして、約20年にわたり販売してきたが、近年長引く建設不況や大型建築分野における競争激化などの影響により、不採算の状態が続いている。
将来にわたって工場を維持するだけの販売量を確保することは困難であると判断し、事業撤収することを決定し、「グランデ」の生産拠点である富士建材工場(能力6万m3/年)の生産設備については廃棄し、生産および出荷の終結は2005年3月末を予定している。
従業員は、富士建材工場(グランデ)で58名で、同事業に携わる従業員は、再配置し、雇用を継続することを予定している。
既製コンクリートパイル生産中止については、国内の既製コンクリートパイルの総需要は、ピークの1990年度の780万tから昨年度はおよそ260万tへと大幅に減少し、需給ギャップの拡大が深刻な問題となっている。
2000年度に穂積工場(岐阜県瑞穂市)、2002年度に境工場(茨城県猿島郡境町)での同パイルの生産を中止し、他社よりOEM供給を受け事業のスリム化を進めてきた。
白老工場、富士建材工場および岩国工場での同パイルの生産を中止し、パイルメーカーに生産委託し、100%OEM供給を受ける。