旭化成ファーマ（株）は、医療用医薬品と流動食の物流業務を、2005年8月中旬から伊藤忠商事（株）に全面的に委託する。
同社は、厳しさの増す医薬業界の中にあって生き残りを図るため経営効率化を推進しており、この度の物流業務の外部委託は、その中の1つとして位置付けていた。
医薬品の物流業務の問題点について、同社は医療用医薬品及び流動食の物流業務を静岡県掛川市の自社物流倉庫を拠点として行っているが、事業規模を考えると自社単独での物流システムの所有は高コストであり、今後も相当額の設備更新費用が必要となっていた。
また、医薬品物流倉庫は一箇所だけであるため、地震等が発生した場合のリスクが高かった。
この問題点の解決策として、医薬専門の物流業務受託事業を行っている伊藤忠商事に物流業務を全面的に委託することを決定したもの。
伊藤忠商事に医薬品の物流業務を全面委託することによる効果は、物流費用を削減することができるとともに、伊藤忠商事が持つ、埼玉県、大阪府の2つの物流拠点を活用することにより、地震発生による被害などのリスクを分散することができる。
また、医薬品専門の物流であるため、より質の高い配送等が期待できるとしている。
物流業務の外部委託によって、静岡県の物流倉庫については閉鎖する予定だが、同物流倉庫に勤務する従業員については、他の事業所に再配置する。
