宇徳運輸（株）の平成17年3月期決算短信（連結）の経営成績は下記のとおり。
前期に実行した不採算事業からの撤退、固定資産についての減損会計の早期適用等による経営基盤の強化をより確実なものとすべく、更なる「営業収入の拡大」と「コスト削減」に取り組んだ。
営業収入は353億7千万円、前期比9億86百万円、2.9％増の増収となり、営業総利益は、70億24百万円、前期比7億21百万円、11.4％増の増益となった。
業務費と一般管理費は、引続き人件費及び諸経費の削減に努め、前期比3億52百万円、6.4％の減少し、経常利益は、18億1百万円となり前期比10億14百万円、129.0％増の大幅増益となった。
特別損益は、特別利益として固定資産売却益等の9億22百万円を計上、特別損失として固定資産売除却損、役員退職慰労金及び同引当金繰入額等の47百万円を計上した。
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額などを加減した結果、当期純利益は、19億52百万円、前期比18億円の増益となった。
事業の種類別セグメントの業績
港湾運送事業
営業収入は、順調な輸出入貨物量の伸長を反映し、コンテナ貨物の取扱量が回復したことに加え、輸出車両・建設機械等の取り扱いが堅調であったことから、前期比16.0％、20億9千万円増の151億33百万円。
営業利益は、収入の拡大に加え一層の作業効率の向上を推進した結果、17億47百万円となり、前期比26.4％増の増益。
物流事業
営業収入は、148億87百万円と前期比4億円、2.6％減の減収となったものの、前期に実行した不採算事業からの撤退及び徹底したコスト削減に注力した成果が現れ、営業損失は1億88百万円と前期比10億4百万円、84.2％減の大幅改善となった。
プラント・機工事業
北米における工場設備据付工事等海外案件の受注をはじめ、広範囲に亘る営業拡大に取り組んでいるが、電力会社関係の建設工事の端境期にも当たり、営業収入が伸びず前期比8.8％、4億65百万円減の47億93百万円。
営業利益は、徹底したコスト削減、稼動効率の向上に努めましたが、前期の収益に寄与した海外現地法人におけるプロジェクトの完工に伴う収益減をカバーしきれず2億75百万円と前期比51.4％、2億91百万円減の大幅減益。
不動産・その他事業（省略）
次期の見通し
原油・鉄鋼など素材価格の高騰や米国の双子の赤字拡大のほか欧州の景気減速懸念等の不安材料はあるものの、引き続き米国経済や中国経済が牽引役となり、世界経済は概ね順調に推移すると予測される。
国内においては輸出を中心に、民間設備投資の増加が期待されるが、税・社会保障費負担増が消費者心理の下押し要因となり個人消費も本格的回復には至らないと予測されるところから経済環境は引き続き厳しい状況が続くものと思われる。
このような経済情勢にあって、同社グループは、業績の回復基調を確実なものとするとともに、より一層の収益拡大の為の基盤作りを目指す。
次期計画においては営業収入370億円、営業利益18億円を目標とする。
セグメント別では、港湾運送事業は、当期に引き続き輸出車両・建設機械等の取扱が順調に推移するものと思われ、営業収入は当期比1％増の153億円を目標としている。
物流事業は、国内外一貫物流機能の充実と国内保有施設の営業強化により、営業収入は、当期比3％増の154億円を目標としている。
プラント・機工事業は、引き続き厳しい受注環境が予想されますが、海外を含む広範囲の営業展開による受注増を目指し、営業収入において前期比21％増の58億円を目標としている。
