住友商事(株)は、航空総合大手米国グッドリッチ社の航空機用貨物搬入システム製造部門(Cargo Systems Goodrich Corporation)の対日総代理店権を獲得した。
住友商事は長年の航空機ビジネスを通じて構築してきたネットワークを活用し、日本の航空機業界向けにグッドリッチ社が取り扱う製品とサービスの販売活動を行う。
グッドリッチ社は米国有数の航空関連製造大手で、2004年の売上高は$4.7bil.(約5500億円)を越える。主要製品は航空機用構造部材・ランディングギア(着陸脚)・エンジン制御機器等。
Cargo Systems Goodrichはグッドリッチ社の貨物関連機材製造部門であり、ボーイング・エアバスの大型旅客機・貨物機の貨物搬入システムをほぼ独占的に製造している。
貨物搬入システムとは、貨物専用機の場合通常旅客が乗る機内スペース(メインデッキ)と機体下部の貨物保管スペース(ローワーローブ)において搭載される貨物コンテナやパレットを電動で仕分け、機内の指定位置に固定させる機器類の総称。B747クラス貨物機のメインデッキ・システムで約3億円する。
グッドリッチ社の貨物システムは日本の航空会社でも広範囲で採用されており、日本航空、全日空(夫々B747,B777,B767)、日本貨物航空(B747)、スカイマーク(B767)、エア・ドゥ(B767)の各社で稼動している。また、JAL/ANA両社が導入を決めているボーイングの次世代中型機B787でも標準システムとして採用されている。
グッドリッチ社は今回の住商代理店起用と同時にアジア向けの販売組織を全面的に見直し、日本を最重要注力市場と位置付ける。住商は航空機部品のアフターマーケット・ビジネスを長期的な成長市場と見込み、グッドリッチとの提携を機にこの分野での業界ネットワークの拡大を狙う。当面の目標として日本のエアライン向けに年間5億円程度の売上を見込む。